「多分、私のことも『バカな女だな』って思ってるはず」
別の地方都市に暮らす女性・Bさん(25歳)は、痩身系のエステサロンのスタッフとして勤務している。月の手取りはだいたい20万円程度だというが、家賃と趣味にお金を使うと、ほとんど「余裕がない」生活だという。
「物価も上がってるし、普段はコンビニ飯ばかりで、自炊はほぼしないです。カップ麺とかが多いから、栄養も偏りがち。毎日お昼に外食をする余裕はないし、欲しい服とかを数枚買ったら毎月の支払いもギリギリです。
アプリで出会った男性たちは、良いお店に連れて行ってくれるし、普段食べられないようなお店に連れて行ってもらえるのが嬉しい。綺麗で高級感のあるお店で、可愛く写真を撮ってもらって、それをアプリのプロフ写真とかインスタに載せたりしています(笑)。そういう写真を見て、別の男性もまた興味を持ってくれるから、ありがたいですね」(Bさん)
彼女の周りにいる同業の若年女性たちも、同じような状況にあるとBさんは続ける。
「私の周りの子たちにも、けっこう『パパ』的な存在の人がいます。でもその相手も色々バリエーションがあって、本当に食事をする程度の彼氏っぽい人から、父親よりも年上のお金持ちのおじさんまで、色々です。周りもやっているから、という理由でハードルが下がるのではないでしょうか」(同前)
Bさんがパパ活をするのは、その延長線上に「結婚相手となり得る、安定した人と出会いたい」という思いがあるからだという。
「このまま20代後半を過ごしていたら、結婚相手は見つかるんだろうか、という不安が常に頭をよぎります。エステサロンは急に倒産することもあり、不安定な職種です。だから、絶対に安定した人と結婚したい。
でも、アプリで出会う既婚者の男性で、『いいな』と思う男性はみんなエリート。多分、私のことも『バカな女だな』って思ってるはず……。今は若いからデートの相手もスムーズに見つかりますが、結婚となるとどうやって相手を選べば良いのか……。友達の合コンで、経営者の方とかに会うこともありますが、真剣な交際になりそうな相手には出会えていません」(同前)
物価高も進むなか、少ない手取りのなかで日々のやりくりをしている女性にとって、デパコスやブランドの服、ちょっとおしゃれな飲食店は、手が届きそうで届かない贅沢品だ。マッチングアプリを使って「パパ活」をする背景には、低所得、不安定な雇用、結婚への焦りといった、彼女たちならではの悩みがあるようだ。