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FiscoNews

【注目トピックス 市況・概況】AIバブルに警戒【フィスコ・コラム】

*09:00JST AIバブルに警戒【フィスコ・コラム】
NY株式市場でハイテク関連銘柄が売り込まれ、高値圏ながら足踏みが続いています。人工知能(AI)バブル崩壊が囁かれ、相場を圧迫しているためです。2000年前後のITバブル後の「米国売り」が想起され、年末年始に向けドル売りシナリオも浮上しています。

ナスダックは10月下旬に過去最高値を更新すると下げに転じ、その後は戻りの鈍い値動きが目立ちます。ダウは今月に入っても堅調地合いを維持し、最高値を更新中。ただ、今月はオラクルの業績悪化を背景に株式市場は売りに押されるケースが何度かありました。一方、外為市場では米国の緩和的な金融政策への思惑が広がるものの、米金利は底堅く、ドルの下げは限定的です。

12月第3週の欧州中銀や日銀など主要中銀の政策決定で年内の重要イベントは終了し、取引が縮小する年末年始に向け、AI投資ブームに投資家の関心が向かいつつあるようです。専門家は足元のハイテク関連株が相場を牽引する状況を、2000年前後のITバブルに似ていると指摘しています。四半世紀を経て、再び株式市場の混乱が金融市場全体に飛び火する事態になるでしょうか。

ITバブルを振り返ってみると、株式市場では「将来の可能性」が過度に先取りされ、利益を生まない企業にまで高い評価が与えられていました。ナスダック指数は2000年春を天井に急落し、投資家の関心は成長期待から財務の健全性や実需へと急転換。バブル崩壊後は株安に加え、景気後退を背景に米国債市場や為替市場も動揺し、FRBの大幅利下げを通じてドルは長期的な下落基調に入りました。

昨今のAI投資ブームにも似た点があります。収益化の道筋が不透明な企業や巨額投資を続けるプレーヤーは厳しい選別に直面し、株式市場では評価の切り下げと銘柄間格差の拡大が進むとみられています。AIの主要企業の業績や今後の需給などのネガティブな見通しを受け、先行きに対する危機感が急速に広がれば、金融市場にも影響が及ぶかもしれません。

AI投資は半導体や電力、不動産など幅広い分野を巻き込んでおり、調整局面では株価だけでなく金利や為替への波及が警戒されます。株式や債券の市場は休場になるため、為替市場が真っ先に反応しそうです。7-9月期米国内総生産(GDP)は予想外の強さを示したものの、足元の経済指標は低調な内容も散見されます。米国経済の不透明感が深まるなか、AI関連のヘッドラインニュースが混乱の引き金になりかねません。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。

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