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【注目トピックス 日本株】日本一ソフトウェア:独自IPと海外展開を武器にニッチ市場でゲーム開発、PBR0.5倍台で推移

*14:31JST 日本一ソフトウェア:独自IPと海外展開を武器にニッチ市場でゲーム開発、PBR0.5倍台で推移
日本一ソフトウェア<3851>は、岐阜県各務原市に本社を置く独立系のゲームソフトデベロッパーである。同社は、大手メーカーが手がけにくいニッチな市場に対して、独創性の高いコンテンツを継続的に投入する独自のポジションを確立している。主な事業セグメントは、ゲームソフトの開発、製造、販売、ライセンス提供を行うエンターテインメント事業と、岐阜県内での大学学生寮運営などを行う学生寮・その他事業の2本柱で構成されている。特に主力のエンターテインメント事業では、国内のみならず、北米や欧州、アジア地域へのローカライズ販売を強力に推進しており、連結売上高の約7割を海外が占めるグローバル企業としての側面を併せ持っている。ビジネスモデルとしては、自社開発のIPを核に、パッケージ販売やダウンロード配信、さらには日本国内の他社タイトルの海外販売代行(パブリッシング)など、多角的な収益源を確保している。また、地域貢献にも積極的で、看板キャラクターである「プリニー」を各務原市の公共施設の名称に冠するネーミングライツを取得するなど、地元に根ざした経営も特徴の一つだ。

同社の強みは、第一に、特定の熱狂的なファン層をターゲットとした「ニッチなIP創出力」にある。万人に受けることを目指すのではなく、世界共通の「オタク層」に深く響く独自の世界観やキャラクター、中毒性の高いゲームシステムを構築しており、これが競合他社との明確な差別化要因となっている。第二に、北米・欧州市場における強力な販売基盤が挙げられる。米国子会社であるNIS Americaを通じて、自社タイトルのローカライズのみならず、他社タイトルの海外展開も手がけており、市場規模の大きい欧米市場を直接開拓できる体制は、同社の安定した収益基盤を下支えしている。第三に、岐阜県という立地を背景とした「スタッフの純粋な想いと企画力」だ。都市部と比較して人材確保に工夫を要する面はあるが、同社には「当社のゲームを自ら作りたい」という強い熱意を持った開発者が日本全国から集まっており、社内公募イベントである「日本一企画祭」などを通じて若いスタッフの自由な発想を活かした新規IPが次々と生まれる土壌が整っている。

2026年3月期の第2四半期は、売上高1,244百万円(前年同期比49.2%減)、営業損失は322百万円(前年同期は205百万円の損失)で着地した。大幅な減収および損失拡大の背景には、国内市場において発売したタイトルの販売本数が予想を下回ったことのほか、当期間内に売上高を大きく牽引する主力タイトルの発売が少なかったこと等が挙げられる。当期間には国内で「風雨来記5」や「連呪」を発売したが、これらは大型ヒットを狙うものというより、特定のファン層に向けた着実な展開の一環と言える。また、来年発売予定の「凶乱マカイズム」や「ほの暮しの庭」等の開発も進めた。通期の連結業績予想については、売上高4,774百万円(前期比9.9%減)、営業利益81百万円を見込んでおり、期初計画を据え置いている。今後の改善見込みについては、下期から来期にかけて期待の新規タイトルが順次投入されることや、円安基調が続くことで海外売上比率の高い同社グループにとってプラスの為替影響が享受できる見通しであることだ。

今後の成長見通しについては、複数の成長ドライバーが期待されている。まず、2026年7月30日に発売を予定している生活シミュレーションゲーム「ほの暮しの庭」は、任天堂の公式オンライン発表会「Nintendo Direct」で紹介された直後から国内外で極めて高い注目を集めているという。YouTubeでのプロモーション動画の再生数が急増し、一時的に自社サーバーがダウンするほどの反響を呼んでおり、従来のニッチ層に加え、より幅広いユーザー層を獲得できる期待が高まっている。また、2026年1月29日にはアクションRPG「凶乱マカイズム」の発売も控えており、ラインナップの拡充が進んでいる。そのほか、今後も成長投資として、SteamをはじめとするPCプラットフォームへの同時展開を加速させることで、収益機会の最大化を図る方針である。ベトナムの海外開発子会社などを活用した効率的な制作体制の構築も進んでおり、コスト管理と開発量の確保の両立が図られている。自社メディアを通じたオンライン発表会「日本一ソフトウェア Untitled//」を定期開催し、ユーザーとの直接的なコミュニケーションを深めることで、自社IPの付加価値を中長期的に高めていく計画だ。

株主還元については、安定的な配当の継続を基本方針としている。2026年3月期の配当予想は、年額5円としており、過去数年間も同水準を維持するなど、業績の波に左右されない安定した還元姿勢を堅持している。現在は、中長期的な成長の源泉となる新規IPの創出や、開発力のさらなる強化、さらには海外販路の拡充といった成長投資に資金を優先的に配分しているが、それと並行して株主への利益還元も着実に実施していく方針である。

総じて、足元の業績は足踏みしているが、世界中のオタク層を熱狂させる強力なIP開発力を有している。特に「ほの暮しの庭」といった主力候補となる新作への期待値は過去最高水準にあり、これらが収益に寄与し始める局面では業績にも直結してくる。PBR0.5倍台で推移する中、ニッチ市場での圧倒的な優位性を維持しながら、新たなファン層の獲得やプラットフォームの拡充に邁進する同社の今後の成長動向に期待したい。

<NH>

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