*07:49JST NYの視点:NY連銀調査:インフレ期待は短期が大幅低下も長期は高止まり不透明感強い、世帯の財政状況は底入れの兆候
NY連銀がおおよそ1200人を対象に行った調査の結果で、連邦準備制度理事会(FRB)が特に注視しているインフレ期待率の1年先は3.09%と、12月3.42%から予想以上に低下した。昨年7月来の低水準。3年先は2.98%と、3%から小幅低下し2024年12月以降ほぼ2年ぶり低水準となった。同時にFRBが最も注視している長期、5年先のインフレ期待率は3%と、12月2.98%から上昇し23年8月以降で最高、昨年10月来で最高に並び、インフレの根強さが再表明された。
NY連銀調査によると、職を失う可能性があるとの回答は+14.82%と、12月+15.2%から低下した一方で、雇用者の労働市場への自信を示すとされる自主的退職する可能性は+18.65%と+17.47%から上昇しており、労働市場の底堅さが示された。3カ月内に滞納する見通しを示した回答も+13.67%と、12月+15.27%から低下。世帯は財政状況が1年前より改善していると回答。
一方で、雇用統計の先行指標は労働市場の減速を示している。1月のチャレンジャーアンドクリスマス従業員削減数が1月分として過去最大を記録。さらに、最新先週分新規失業保険申請件数(1/31)は前週比2.2万件増の23.1万件と、前回20.9万件から予想以上に増加し、昨年12月初旬以来で最高となったほか、ADP雇用統計でも雇用の伸びが予想を下回った。米12月JOLT求人件数は654.2万件となった。増加予想に反し11月から減少し、パンデミックにより経済が封鎖された直後の2020年9月来で最低となった。さらに、ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は「若干低い雇用者数でパニックに陥るべきではない。不法移民の本国送還、人口の伸びの鈍化や生産性の伸び急伸で想定しておくべき」と、労働市場の減速を警告した。
インフレ期待では不透明感が存続している模様だが、世帯の雇用や財政状況は底入れした可能性が示唆された。今年の利下げ軌道を明確にする結果とはならなかった。
◇米・1月NY連銀調査
・インフレ期待「1年先:3.09%(予想3.38%、12月3.42%)、3年先:2.98%(12月3.0%)、5年先3.00%(12月2.98%)
・食品:5.74%(12月5.74%)
・賃貸:+6.82%(+7.66%)
・大学学費:+9.03%(+8.28%)
・医療:+9.8%(+9.94%)
・賃金の伸び:+2.7%(+2.52%)
・職を失う確率:+14.82%(+15.2%)
・自主的退職する可能性:+18.65%(+17.47%)
・3カ月内に滞納する見通し:+13.67%(+15.27%)
・貯蓄口座の金利上昇:+25.84%(+23.39%)
<CS>