配当金の確定申告をやったほうが得になる人、損をする人の違いとは
配当金に注目した投資が活況だ。特定口座(源泉徴収あり)だと、一律で約20%(所得税・住民税)が源泉徴収されるが、ある条件を満たせば、配当金にかかる税金を取り戻すことができる。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第177回は、「配当金の税金」について。
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ここ数年、配当株目的の投資が活況です。そのため配当金に対する税金についても気になるところ。NISA口座内なら非課税ですが、特定口座(源泉徴収あり)内なら、一律で約20%(所得税・住民税)が源泉徴収されています。決められたことなので仕方ないのですが、実は、ある条件を満たせば、配当金にかかる税金を取り戻せるチャンスがあります。キーワードは、「課税所得695万円以下」です。
なぜ「695万円以下」なら税金が戻ってくるの?
課税所得というのは、基礎控除や、社会保険料控除など、国が認めたもろもろの経費をすべて差し引いた手取りの金額のことです。たとえば年収900万円の人でも、家族がたくさんいたり、社会保険料をたくさん払っていれば、課税所得は400万~500万円台まで下がることがありますので、税金を取り戻すチャンスがあります。
どうすればよいか? それは、確定申告で「総合課税」を選び、「配当控除」という必殺技を使うことです。配当控除とは、企業が支払った法人税と配当金に課される所得税との二重課税を調整するために、確定申告した場合に適用される税額控除制度です。日本の所得税は、所得が高いほど税率が上がる「階段」のような仕組み(累進課税)になっています。一方、配当控除は「配当にかかる所得税を、一律で10%オフにする」という非常に強力な割引券です。
ここで課税所得の階段が重要になります。課税所得が330万円~695万円の人の所得税率は20%。 ここから配当控除の10%を引くと実質の税率は10%でお得になります。本来、配当からは15.315%(所得税分)が天引きされています。つまり、確定申告をすれば、差額の約5.3%分が「払いすぎ」として戻ってくるわけです。
一方で、695万円を超えて次の階段(税率23%)に進んでしまうと、割引後の税率が13%+住民税の負担増も加わり、還付のメリットがほとんど消えてしまいます。だからこそ、695万円が「お得のデッドライン」なのです。
