昨年、出たばかりの「シンクロウェザー」を装着して向かったのは豪雪の新潟。前も見えないほどの状況の降雪の中、テストがスタートした
「通年使用は便利だけど、肝心の冬用タイヤとしては、凍結路がちょっと不安」と言った評価のあったオールシーズンタイヤ。しかし2024年10月に発売されたダンロップの「シンクロウェザー」は、「氷上性能」にもお墨付きを得て、これまでのオールシーズンタイヤに対する固定観念を覆す革新的タイヤとして話題を集めた。
自動車ライターの佐藤篤司氏は、昨年の1月に「シンクロウェザー」を装着し、凍結路も含めた雪道を走行。そして春を迎え、酷暑の夏を過ごし、秋の行楽シーズンを快走し、気づけばすでに1年。その間、約8000kmを走り、いま2度目の冬を迎えている。シンクロウェザー最大の特徴である、路面状況や温度に応じてゴムの性質が変化する「アクティブトレッド」技術によって、従来のオールシーズンタイヤのイメージはどう変わったのか。シリーズ「快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた」、佐藤氏がシンクロウェザーをレポートする。【全3回中の第1回】
夏タイヤと冬タイヤの弱点を新技術で解決したオールシーズンタイヤとは?
2月上旬、最強最長寒波に襲われた日本列島。北海道・東北・北陸などの「雪国」はもちろんのこと、普段あまり降雪や積雪のない地域にまで大きな被害が出ました。まずは被害に遭われた方々には心よりお見舞いを申し上げるとともに、さらなる被害がないことをお祈りします。
もちろん雪国で生活される方々にとってスタッドレスタイヤは必需品。ここで考えなければいけないのは、それ以外のエリアに住んでいる人たちの「冬対策」です。しつこいほど報道されていますが、雪道や凍結路を、冬用タイヤや滑り止めを装着せず、ノーマルタイヤのままで走行することは「沖縄県を除く46都道府県の条例」に反する行為であり、反則金も課されます。当然、沖縄県以外では「もしものときの“備え”」がなければ雪道を走ってはいけないのです。
では“備え”を何にするか? 最善は「スタッドレスタイヤ」の装着ですが、シーズンに1~2度程度の降雪なら「布製チェーン」も気になりますし、ポピュラーで選択肢の多い「非金属タイプ&金属チェーン」と言った選択もあります。さらに“通年使用ができる”ということで装着率が向上している「オールシーズンタイヤ」に対する関心も高くなっています。日本のタイヤ市場動向を見ても、オールシーズンタイヤは支持率を上げ、2024年時点では前年比の売上が約11%増加するなど、確実な成長を見せているのです。そして2030年にかけての年平均成長率(CAGR)は約5%という予想もあるほど。
とくに雪国在住ではないが、レジャーなどで頻繁にスノードライブの機会があるとか、雪国に隣接するエリアや、時折降雪や積雪の可能性があるという地域に暮らす人たちにとって、季節を問わず使用できるオールシーズンタイヤは魅力的な選択になります。
一方でいくつかの懸念点も指摘されています。「夏タイヤとしてはウェット性能に不安がある」とか「乗り心地が少し堅い」、そして肝心の冬タイヤとしては「圧雪路はなんとかなるけど、氷上性能に不安が……」と言った評価です。
そんな状況を一新しようと登場したのが、ダンロップの「シンクロウェザー」でした。最大の特徴は、路面状況や温度に応じてゴムの性質が変化する「アクティブトレッド」技術。ウェット路面では水に反応してゴム表面が柔らかくなる“水スイッチ”が作動し、高い排水性とグリップ力を発揮。一方、低温時には“温度スイッチ”が働き、スタッドレスタイヤに近い剛性とグリップ特性へと変化します。
この「環境に同期して性能が変わる」という思想こそが、シンクロウェザーの核心です。結果として冬用タイヤの国際基準である米国試験材料協会(ASTM)規格を満たしていることを証明した「スリーピーク・マウンテン・スノーフレークマーク(以下、スノーフレークマーク)」と同時に、北欧の厳しい冬の気候で「氷上性能が確認できた証」となる「アイスグリップシンボル」も与えられています。これはオールシーズンタイヤの弱点と言われていた氷上性能において合格点の目安となるマークです。
左から氷上性能を認めた「アイスグリップシンボル」、冬タイヤの証明「スリーピーク・マウンテン・スノーフレークマーク」、そして「M+S」マークが当てられたオールシーズンタイヤ
こうした注意表示が出ていたがシンクロウェザーの新技術を信じて新潟へ


