たしかに夜景は素晴らしいのだが…(写真:イメージマート)
人より多くのお金を稼いでいることが優越感につながり、それを誇示するようになる人もいる。だが、よほどの大金持ちならともかく、中途半端な“小金持ち”が見栄を張る様子は、周囲の人にとっては痛々しく映るもの。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が哀愁を感じたという、小金持ちの行動の実例を紹介する。
* * *
本当のお金持ちは福祉や教育関連にドーンと寄付をしたり、プライベートジェットも所有。宇宙旅行へ行ったりもするなど行動がダイナミック過ぎて、もはや別世界の人間で、羨ましいというレベルを超えています。ただ、プチセレブ気取りの小金持ちのカネの使い方や、そこに見え隠れする虚栄心には、若干の哀愁を感じることもあります。
私の知人に、東京の湾岸エリアのタワマンに居住するAさん夫妻がいます。いわゆる「パワーカップル」で、タワマンの2LDKの部屋を購入。30階に住んでいることが自慢で、時々知人を部屋に招待します。そして日が暮れてくると、さらに高層階にあるラウンジへ案内をして、「どうです? いい夜景でしょ?」なんてことを言う。
ラウンジには他の居住者が同様に知人を連れてきている様子が見え、親同士が挨拶をし、お子さん同士はそこら辺を走り回ったり、ソファでジャンプして遊んだりする。それを見ながら夫妻は「子どもがいると、なかなか居酒屋とか行けないけれど、ここに来ればゆっくりお酒を飲めますからね。そういった意味でもこの物件に住んで良かったです」などと言う。
確かに、そんな利点もあるんですね、と思うのですが、「タワマンのラウンジって、本来は富裕層の大人が静かにお酒を嗜む場所だったのでは?」といった疑問も頭をよぎる。
そんなセレブな場所なのですが、ここで食べるものが近所のスーパーで買ったお惣菜やスナック菓子なんです。そのスーパーで待ち合わせ、購入したうえで夫妻の家に行くわけですが、暖色の暗めのライト、高級そうなソファとテーブル、そして素晴らしい夜景。そんなゴージャスな光景が目の前にあるのに、テーブルの上には、プラスチック製の開ける時に「パコッ」と音がする容器と、スーパーでもらった割り箸が並んでいて、妙な悲哀を感じます。さらにはレジ袋がソファの上に乗っかっている。
眺望の素晴らしさを自慢したいのでしょうが、結局、食べるものは冷めた唐揚げやポテトサラダやレバニラ炒めじゃねーか、と思うのです。だったらデパ地下でそれなりのものを買って部屋で食べ、ラウンジはその後に締めの酒を飲みに来るぐらいでいいのではないか。プチセレブを気取って他人を呼ぶのならば、せめてそこら辺は徹底してよ。なんなら、こちらで買ってくるからさ……、なんてことも思いました。
