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投資

【水上紀行の為替相場の本質】資本移動が、通貨を動かす

 個人的に為替相場にトレンドが出来る直接的な大きな原因は、各国間での資本移動(キャピタル・フロー)にあると考えています。 輸出入の取引、いわゆる「実需取引」は、この資本移動の金額に比べると足元にも及ばないと言っても、過言ではないと思います。

 資本移動の一例を挙げます。2001年の9.11の同時多発テロ以降、2004年末まで、米国の資産凍結を恐れる中東資金や米国一辺倒に資産を傾けていることに不安を感じた中央銀行の外貨準備のシフトをも含めたいろいろな資金が、ドルから、EUR、GBP、CHF、AUD、NZDなどに、ほぼ一本調子で流れました。

 ドルを他の通貨に両替していったのです。その流れのすさまじさは、週足のチャートでご覧頂ければ、一目瞭然です。

 お金を持つと、大変臆病になるものです。なにか危険を察知すると、さっさと資本を他へ移動させるのが通例です。 ニューヨークに駐在していた頃に、この資本移動のすさまじさを、私は身をもって経験しました。その時は、欧州通貨から、ドルへの資本移動という局面でしたが、ワンショット(一回あたり)で、5億ドルとか10億ドルの「欧州通貨売り/ドル買い」をたたみかける様は、猛牛の群れの暴走のような勢いでした。

 このような資本移動を行う人たちは「資本家」「かんぽ」などのプレイヤーです。

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