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ライフ

老後の“おひとりさま” 実はサザエさん一家より幸福度高い

老後の幸福度 得られる分岐点は?(画像はイメージ)

 老後の蓄えには最低でも2000万円が必要とされているが、三菱総合研究所のシニア調査では、「2000万~3000万円」の金融資産を持つ人の約64%が「幸せ」と回答しているのに対し、必要な金額に全然足りない「200万~500万円未満」でも60%弱が幸福と回答している。“不安いっぱい”で幸福度どころではないだろうと思われる「200万円未満」の人でさえ、過半数には満たないものの44%が「幸せ」と感じているという。

 大阪大学の調査によると、世帯所得と幸福度に関する調査では、世帯所得150万円までの幸福度は低く、それから所得が上がるに連れて幸福度は上昇していく。ところが、500万円を境に上昇曲線は頭打ちになり、ほぼ横ばいになってしまう。さらに、世帯所得が1500万円を超えると、逆に幸福度が下がるという結果だったのだ。

 こうした世帯所得と幸福度の関係と比べても、シニア世帯の資産と幸福度の相関関係はより薄れている。調査を行なった日本の行動経済学の第一人者、筒井義郎・大阪大学名誉教授(甲南大学特任教授)が解説する。

「結婚や定年といったライフステージによって、幸福度は変わります。男性は他人との比較競争によって幸福度が上がったり下がったりする傾向がありますが、定年を迎えたシニア男性の場合、それよりも社会の中で存在感が感じられるかどうかが重要になる。仮に会社で役職に就いて出世した人でも、定年後にやりがいのある仕事を見つけられなければ幸福度は下がるし、ボランティアなどで生きがいを感じられれば、幸福度は高くなります。

 生活水準が上がると幸福度は上がりますが、それは一時的なもので、慣れてしまえば元に戻ってしまいます。それに対し、友人とのおしゃべりや趣味に没頭するといった精神的な幸福度は上がったまま長期間続くと考えられています」

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