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50歳以上のがん保険加入が増加 背景に「老後医療費破産」の恐怖

50歳以上のがん保険加入者が増加しているのはなぜか(イメージ)

 日本のがん保険の“定説”が変わりつつある。50歳以上の加入者が増えているのだ。2005年に28.3%だった50代の加入者は2017年に42.6%に達した。『比較検証、がん保険』の著者で保険医学総合研究所代表の佐々木光信氏が指摘する。

「周りにいる定年退職した人たちから、がん保険について訊ねられることが増えました。がんになって老後医療費破産するんじゃないかと心配しているようです。最近では広告でもシニア世代向けがん保険の情報がよく流れているので、気になっている人が多いようです」

 背景にあるのは、「がんになる人が増えている」一方で「がんで死ぬ人は減っている」という二つの事態の同時進行だ。ファイナンシャル・プランニング技能士でフェイス代表の巽一幸氏はこう語る。

「国立がん研究センターの調査によれば、1998年に人口10万人あたり1027.6人だった60~64歳の男性がん罹患者は2012年に1280.4人まで増加し、65歳以上のがん罹患率も上昇しています。ただしこの調査では、死亡率は減少している。

 つまり、がん患者が増えると同時に“患者の期間”も長くなっていると言えます。そうした流れに伴ってがんの通院者数が入院者数を上回った。がん=入院・手術でなく、通院しながら在宅治療が可能になったからです。

 公的保険の効かない先進医療という選択肢も増えている。がんは“日常生活を送りながらお金をかけて治していく病気”になったのです」

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