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売れない芸人が大手芸能プロに所属するデメリットとは

生活が厳しい芸人は多いという

 芸能人を目指すときにまず考えるのが、どこの芸能プロダクションに所属するか。都内だけでも、大手から小中規模のものまで50近くの芸能プロダクションが存在する。このなかから所属先を選ぶとき、単純に大手事務所のほうが、有利な面が多いのではないかと思う人も多いだろう。

 しかし「売れない芸人にとって大手事務所はデメリットも多い」と語るのは、大手芸能事務所から小規模の事務所に移籍したお笑い芸人のAさん(30代・男性)。いったいどんなデメリットが存在するのか。

 Aさんは「大手事務所は、イベントの営業やオーディションなど、露出のチャンスが多い環境ではあります。そう考えると、実力さえあれば大手事務所に所属しているほうが圧倒的に有利だと思います」と前置きをしたうえで、「でも……」と続ける。

「事務所関係の手伝いで、タダ働きをさせられることが本当に多かった。先輩芸人のライブの手伝いだったらまだわかりますが、全く自分たちとは関係のない歌手やアイドルの手伝いに若手芸人が駆り出されることもしばしば。当然、その日はネタの練習やアルバイトは休まなければなりません」(Aさん、以下「」同)

 ある日、事務所から呼び出されたAさん達を待っていたのは、新人アイドルのイベントでの“サクラ要員”だったという。

「聞いたこともない新人アイドルのTシャツやタオルなどの応援グッズを渡され、マネージャーから『大声で盛り上げてこい!』と指示を受けました。知らないアイドルに必死に手を振って声を出しましたよ。ファンの水増し要員として僕らは用意されたというわけです。アルバイトを雇うとなると体裁が悪いし、お金もかかる。事務所的には若手芸人は便利に使える雑用要員、言わばエキストラですね」

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