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入院時の「差額ベッド代」、病院側の都合で個室になった場合払う必要ない

負担は手術費だけではない

 Aさん(71)は昨年秋、みぞおちにキリキリした痛みを感じ、病院で検査を受けた。診断はステージIIの胃がん。医師から「すぐに手術が必要」と告げられた。

 ショックは大きかったものの、内視鏡手術は成功。20日間で退院することができた。しかし家計に大きなダメージとなったのが50万円余りの入院費だった。

「病気なんてほとんどしたことないから……とタカをくくって医療保険に入らなかったことを後悔しました。再発の可能性もあるし、今後は旅行などの道楽は控えなければいけない」(Aさん)

 ただし、手術・治療費に関しては大部分を「取り戻せる」可能性が高い。内視鏡手術の費用は保険適用で、自己負担額は治療費と合わせ約30万円ほどだったが、これは「高額療養費制度」の対象になる。介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子氏が指摘する。

「1か月の医療費が年齢や所得に応じた自己負担限度額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。年収370万円以上なら自己負担の目安は月8万~9万円。この金額を超えた額が請求できるので必ず申請すべき」

 しかし、この制度の対象外になるのが特別療養環境室(個室)の差額ベッド代だ。Aさんは、入院時に「大部屋が空いていない」と病院に言われるまま個室を選択。1日約1万円、合計約20万円の差額ベッド代を払うことになってしまった。

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