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安易に実家を相続 草むしりに年6万円、解体費用800万円請求の恐怖

解体費用が相続人の孫たちに請求された高松市の長屋(写真:時事通信フォト)

「得する相続」、「相続税を節約する方法」など巷には「相続対策」が溢れている。しかしそこには、抜けている視点がある。あえて、「相続しない」という選択肢だ。

 相続税には各種の非課税制度がある。最低3600万円の「基礎控除」の他に、1億6000万円の「配偶者控除」、さらに相続不動産には評価額が8割カットされる「小規模宅地の特例」やいわゆる“家なき子特例(*注)”などで、よほどの資産家でなければ多額の相続税を心配する必要はない。

【*注/配偶者や相続人が故人と同居していなくても3年以上自分の持家に住んでいない場合に限り、小規模宅地特例と同じように相続の際の自宅の評価額が8割減額される特例】

 しかし、「相続税がかからないから」と安易に遠方の実家や先祖伝来の土地を相続してしまうと、後になって思いがけない費用がかかるケースがある。

 まず空き家の維持費がバカにならない。固定資産税の他に、空き家対象の火災保険料、雨どいや瓦などの補修、庭の草むしりから、野生動物駆除、粗大ゴミなどが敷地に不法投棄された場合はその撤去費用もかかる。

「うちの地域だと放置するとハクビシンなど野生動物が繁殖してしまう。空き家の維持には定期的に空気の入れ換えや庭の草むしりが必要です。所有者が来れない場合、シルバー人材センターで50坪の土地なら1回につき1万円くらいで請け負ってくれる。2か月に1回はやっていただきたい」(高知県黒潮町総務課)

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