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キャリア

定年後は“現在進行形”の肩書き持てば前向きになれる

生きがいは新しい「役割」にこそある(イメージ)

 誰しも幸せな老後を送りたいと願うものだが、それを実現する鍵となるのが「現在の存在感」だ。存在感を得るには「仕事」が一つの手立てとなる。東洋大学経済学部准教授の久米功一氏の研究によれば、男性は女性よりも働くことによる幸福度を感じやすく、それは年齢とともに高まる。60代前半よりも後半、さらに70代前半になっても働くことの幸福度が高まるとされる。

 ただし、現役時代のようにフルタイムで働く必要はない。久米准教授によれば、高齢者は評価基準が一緒であるのならば、正社員よりもパートタイムで働いたほうが幸せというデータがある。

 中でも、週15時間未満の労働時間が最も幸福が高くなるとの調査結果がある。確かに歳を重ねるほど体力が落ち、現役時代のように一日の大半を仕事に費やすことは難しい。しかし、悠々自適でまったく働かないよりは、日々少しでも労働したほうが幸せを感じられるようだ。

 メーカーを定年退職後、コンビニで週3回のアルバイトをしているA氏(66)が指摘する。

「家でゴロゴロしていても時間を持て余すので、近所のコンビニでレジ打ちのバイトをしています。もちろん給料は多くないですが、多くの人と接することができて刺激になります。最初はこの年でコンビニなんて気恥ずかしい面もあったけど、慣れてくると年齢を気にしているのは自分だけだと気づきました。何よりも仕事を“任せられる”ことが現在のやりがいになっています」(A氏)

忙しくて仕方がない

 たとえ無償の仕事であっても幸福度を得られると語るのはB氏(68)だ。

「週3日、隔日で地元の観光地のボランティアをやり、平日の残り2日は朝夕と通学路に立って見守りのボランティアをしています。誰かと話をすることでボケずに済むし、ずっと先まで活動を約束しているので病気にもなれません。家でのんびりと寝ている暇もなく、おかげで定年後にますます健康的になりました」

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