田代尚機のチャイナ・リサーチ

大連万達、蒙牛乳業… 中国企業7社がW杯スポンサーに名を連ねる背景

「万達WANDA」の広告は大連万達グループのもの(代表撮影:JMPA)

 ロシアW杯でのサッカー日本代表の快進撃が続いている。24日の深夜から25日未明にかけて放送された日本対セネガル戦の平均視聴率(関東地区、日本テレビ)は30.9%であった。深夜としては驚異的な視聴率であった。

 多くの日本人がサッカー放送に熱中する中、スタジアムの看板や公式インタビューの背後に映し出されるスポンサーのロゴに注目が集まっている。日本企業は一つも見当たらないものの、漢字表記のロゴが目に付く。これらはいずれも中国企業である。

 FIFAパートナー企業は、アディダス、コカ・コーラ、ガスプロム、現代自動車グループ、カタール航空、ビザ、大連万達グループの7社である。大連万達グループは不動産、ホテル、文化・旅行、映画、スポーツ、ネットビジネス、金融など、幅広く事業を手掛ける中国本土のコングロマリットである。

 また、FIFAワールドカップスポンサー企業に名を連ねるのは、バドワイザー、マクドナルドに大手テレビメーカーの海信、大手乳製品メーカーである蒙牛乳業、大手スマホメーカーであるvivoの5社。そのうち3社が中国企業である。

 そのほか、リージョナルサポーターとして、欧州地域では4社、アフリカ地域では1社がスポンサーとなっているが、アジア地域では、電動二輪車の雅迪、男性ファッションアパレルの帝牌、仮想現実技術を手掛ける指点芸境の3社がスポンサーとなっている。ここではすべてが中国企業となっている。

 2010年の南アフリカ大会では1社(太陽光パネルメーカーで発電も行う英利、ワールドカップスポンサー)、2014年のブラジル大会でも1社(英利、ワールドカップスポンサー)だけであった中国企業だが、今回のロシア大会では7社がスポンサーとなっている。アメリカ企業は、パートナーとしてコカ・コーラ、ビザ、ワールドカップとしてマクドナルド、バドワイザーがスポンサーとなっているが、その数では中国企業を下回っている。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。