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朋友のために… ある中国人が「命懸けの接待」をした理由

中国人が「命懸けの接待」をした理由は(イメージ。Getty Images)

 日本人と中国人の「働き方」はどう違うのか。20年近く中国各地を訪ね歩き、『言ってはいけない中国の真実』(新潮文庫)を上梓した橘玲氏と、上海の寿司店の職人やホストなど、さまざまなアルバイトを経験し、『ルポ 中国「潜入バイト」日記』(小学館新書)を著わした西谷格氏が、「日中の労働者」の価値観の違いを語り合った。

西谷:潜入バイトをする上で助かったのが、上海の寿司屋でもホストクラブでも、5分ほどの面接で採用してもらえたこと。仕事に就くのも辞めるのも、すごく簡単なんです。日本では考えられない。

橘:反日ドラマの日本兵役もやったんですよね?

西谷:日中戦争が舞台の“抗日モノ”ですが、俳優も監督も、作っている人たちはゴリゴリの反日かと思ったら、全然そんなことない。監督は日本の焼酎が好きで、役者も本当にただの仕事としか思ってない。

橘:仕事に関してドライで、職場を第一に考えるという意識がない。中国人には、家族や“朋友”しか信用しないという哲学が根底にある。朋友は「同門の友」という意味で、日本でその関係にいちばん近いのはヤクザの義兄弟です。

 私の知人に中国人女性と結婚した人がいて、その義父は1980年代に人民解放軍に属し、餓死しそうな状況を部隊の仲間と助け合って生き延び、それが今の朋友ネットワークになっている。義父は中国共産党の公安の人なので、鄭州に住む朋友が息子をアメリカに留学させたいとなったら、裏から手を回してビザを発給する。

西谷:不正も辞さない。

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