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60歳すぎてからの生命保険料 実は保障不要のものばかり

「標準生命表」改定で保険料が値下げされた今が見直しの好機か

 老後破産の不安を払拭するにはどうすべきか、様々な情報が飛び交っている。「投資で蓄えを増やす」「年金を繰り下げて受給額を積み増す」「保険に入って万が一に備える」……。しかし、そうした“対策”に欠けている視点がある。「余計なお金を払わない」ということだ。

“生活水準を下げて節約しろ”という話ではない。日常的な習慣のなかに、見逃しがちな「払う必要のないお金」「無駄に払い続けているお金」が数多くある。それらを炙り出し、「払わない」を徹底することが、“本当に有効な老後マネー対策”になる。

「定年後マネー対策では、『資産を増やす』『儲ける』といった話より、むしろ『損をしない』という考え方が重要です。結果的に、それが最も“得する”ことになるからです」

 そう強調するのは、話題の新刊『払ってはいけない』の著者で経済ジャーナリストの荻原博子氏だ。

「歳を重ねていくなかで、何よりまず見直したほうがいいのが『生命保険』です。一家の大黒柱が亡くなったときに遺された家族が抱えるリスクは、妻や子の年齢によって異なる。それなのに同じ保険に入り続けているのはおかしいでしょう。しかも、自分が死ななければ支払った保険料は誰かに回されるだけです。よく検討して、リスクに見合った保険になっているか、見直したほうがいい」(荻原氏)

 何より、現在、保険を見直す好機が訪れている。今年4月、生保各社で保険料が値下げされた。長寿高齢化の影響で死亡率が下がり、保険料計算の基になる「標準生命表」が11年ぶりに改定されたためだ。

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