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期待外れだったソフトバンク株IPO それでも損切りできない心理

公開価格を値下げするという選択肢もあっただろうが(孫正義氏。写真:時事通信フォト)

公開価格を値下げするという選択肢もあっただろうが(孫正義氏。写真:時事通信フォト)

 平成最大の新規上場(IPO)として大きな注目を集めたソフトバンク株(東証1部、9434)。市場からの資金調達額は1987年に上場したNTT株(2兆3000億円)を超える2兆6000億円規模にも上り、昨年12月19日の上場前は投資家の期待がおおいに高まっていた。

 ところが、初値は公開価格(1500円)を下回る1463円。それから1か月余りが過ぎても公開価格はおろか初値も上回らない現状に、嘆きの声が相次いでいる。

 32年前にNTT株でひと儲けした経験を思い出して購入したという70代男性がボヤく。

「退職して年金生活に入ってからはほとんど株式投資はやってなかったのですが、上昇期待が高いとか、配当利回りが5%で高配当だとかさんざん目にしたので、100株、15万円ほど買いました。買い値より少しでも上がったら売ろうと思っていたのに……。妻には儲かったら言おうと思っていたので、今も言い出せません」

 期待外れに終わった要因について、カブ知恵代表の藤井英敏氏が解説する。

「ソフトバンク株の上場前に、ファーウェイショック(※注1)や通信障害(※注2)といったネガティブな材料が続いた。それより前の上場なら1500円という公開価格は妥当だったかもしれません。買い手が減ることを予測し、公開価格を値下げするという選択肢もありましたが、ソフトバンクの強気設定が裏目に出てしまった形です」

【※注1/2018年12月6日、ソフトバンクの基地局設備を製造するファーウェイの副会長が逮捕されたことを発端に起きた日経平均の下落。※注2/2018年12月6日、ソフトバンクの携帯電話サービスで発生した大規模な通信障害のこと】

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