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【日本株週間見通し】世界景気後退を警戒 落ち着きどころは

 2月米ADP雇用統計が予想を下回り、12月米貿易赤字が10年ぶりの高水準、OECDが世界経済見通しを下方修正、米ベージュブックで多くの地域で景気減速が指摘、ECBが利上げの時期を先延ばしし2019年のユーロ圏経済成長見通しを0.6ポイント減の1.1%に引き下げ、8日に発表の中国2月の輸出入はともに減少と、欧米そして中国の景気後退に関する悪材料が立て続けに浮上した。世界経済を巡る悪化懸念が再燃するなか、日本時間8日の22時30分に発表の米2月雇用統計の内容次第では、週明けも波乱が予想される。

 今週は2月の鉱工業生産・小売売上高など中国の経済指標が14日の日本時間午前11時と取引時間中に発表が集中することも注目点だ。また、テクニカル面での悪化も顕著に表れている。日足ベースで見た日経平均は5日移動平均線を大きく下回るとともに、21223円近辺を走る25日移動平均線を1カ月ぶりに割り込んだ。下落中の75日移動平均21085円も終値で下回り、この75日線がひとまずのブレーキラインとして働いてくるかが今後の焦点だ。週足ベースでは21620円近辺にある26週移動平均線から下放れて、20691円近辺を走る13週移動平均線が一つの下値メドとして意識されそうだ。

 一方、物色面では全般的に買い手掛かり材料に欠けているが、8日の波乱相場でオンコリスバイオファーマ<4588>がマザーズの売買代金トップに立ちストップ高とバイオ人気をリードしていることが注目点だ。このほか今週は4銘柄のIPOがあることが個別株物色を刺激してくる期待がある。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、11日は2月マネーストック、2月工作機械受注、12日は1-3月期法人企業景気予測調査、13日は2月国内企業物価指数、1月機械受注、1月第三次産業活動指数、14日は日銀金融政策決定会合(15日まで)、15日は黒田日銀総裁会見が予定されている。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールは、11日は米1月小売売上高、米12月企業在庫、12日はEU離脱合意内容の是非を問う英国下院採決期限、米2月消費者物価、13日は米2月生産者物価、米1月耐久財受注、米1月建設支出、14日は中国2月鉱工業生産、中国2月小売売上高、中国2月都市部固定資産投資、米2月輸出入物価、米1月新築住宅販売件数、15日は米3月NY連銀製造業景気指数、米2月鉱工業生産・設備稼働率、米3月ミシガン大学消費者マインド指数が予定されている。

 このほか、国内外で予定されているイベント・トピックスとしては、11日は東日本大震災から8年、12日は国公立大2次試験後期日程開始。13日は春闘集中回答日。14日はAPEC質の高いインフラ・ハイレベル会議(15日まで、東京)がそれぞれ予定されている。

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