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米FRBの“ハト派転換”は市場にどんな影響を及ぼしているのか

 米国のインフレ率を見ると、原油価格は緩やかな上昇であり、Eコマースの進展で物価が上がりにくい状況にあり、インフレ懸念は遠のいている。急激な物価上昇の心配がなければ利上げを急ぐ必要もなく、米国はいま「好景気なのに低金利」という株式市場にとって居心地がいい状況にあるといえるだろう。

 そして貿易摩擦で鎬を削る中国ですら金利は低く、大幅減税など積極財政に打って出ており、米中の株価がここにきて堅調なのも頷ける。一方で、消費増税を控える日本、緊縮財政の続く欧州の株価はさえない。ただ、日欧の中央銀行は緩和姿勢を取ってきているので、米中主導の景気拡大、株価上昇となれば追いついていける可能性は十分ある。

 すでに金融緩和がもたらす「金融相場」から「業績相場」へとシフトしている米国市場では、金融緩和も視野に入れた株価の後押しが進んでいる。これに中国、さらには日欧が続いてくるようだと、年末に向けて世界的な株価上昇期待が高まってくるに違いない。

 FRBのハト派転換は、それほどのインパクトを持っている。

【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しなどを紹介するメルマガ「日本株通信」も展開中。

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