家計

「楽天でんき」が人気を集める理由とは? 4人世帯で年2.2万円お得のカラクリ

電力自由化で事業者を選ぶポイントは?

 2016年4月1日より、電気の小売業への参入が全面的に自由化された。家庭や商店を含むすべての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになったのである。それからすでに3年が過ぎ、いったいどれくらいの人が新しく電力供給をスタートした「新電力」各社に移行しているのだろうか。

 経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会が毎月公表している「電力取引の状況」によると、2019年2月時点で、一般家庭や中小規模の店舗で新電力に切り替えたところは15.1%となっている。自由化された当時は世の中の関心も高かったので、3年後の現在、どちらかといえば低い割合という印象を持つ人が多いかもしれない。

 各種のアンケート調査によると、ほとんどの消費者は、電気を新電力に切り替えると電気料金は割安になることを理解している。それにもかかわらず、切り替えが進まないのはなぜか? 最大のハードルは「切り替えの手続きが面倒くさそうだから」という理由だという。たしかに当初は、事業者の数が多すぎて、電気料金を比較するのもひと苦労だった。今は、事業者も淘汰され、比較が容易になっている。そうした中で、具体的な契約数こそ明らかにされていないが、「予想をはるかに上回るペースで伸びている」とされ注目を集めているのが、2018年10月からスタートした「楽天でんき」だ。その好評を博す秘密はどこにあるのか?

 楽天でんきの手続きは非常にシンプル。楽天市場を利用している人なら、登録している「ユーザID」を入力し、他に電力切り替えに必要な情報を入れるだけの簡単3ステップ、わずか数分足らずで申し込みが完了する。当然スマホからでもOKだ。申し込んだ後も、電気の切り替え工事やスマートメーターの設置にも、原則立ち会う必要はない。利用を開始するときにも特に手続きは不要。切り替え時の手間もかからず、他社に比べてハードルは格段に低くなっている。こういったIT企業ならではのスマートさが支持をされている理由の一つであろう。

 肝心の電気料金はどうか。例えば、東京に住む標準的な4人世帯が、毎月平均約1万5000円分の電力を使用した場合(東京エリア・従量電灯B・50A・4月利用分の電気代が520kWh・1万5030円/年間で6256kWh・18万843円)、楽天でんきに切り替えると料金だけで年間1万8187円安くなる。

 しかも、楽天でんきでは電気料金200円ごとに「楽天スーパーポイント」が1ポイント貯まり(808ポイント)、さらに、料金を楽天カードで支払えば100円ごとに1ポイントが加算される(1622ポイント)。その結果、年間2万617円分がお得になる。また現在、楽天でんきを新規で申し込むと2000ポイント分もらえるので、初年度は合計2万2617円分、得をすることになる(下図参照)。

 次に、東京に住む標準的な2人世帯でもシミュレーションをしてみよう。毎月平均約8000円を使用した場合(東京エリア・従量電灯B・40A・4月利用分の電気代が295kWh・8015円/年間で3547kWh・9万7202円)、電気料金は4980円安くなる。そして、電気料金分の楽天スーパーポイントは457ポイント貯まり、楽天カードによる支払いで917ポイントが貯まることになる。その結果、合計6354円分が還元される。初年度は2000ポイントが上乗せされるので8354円がお得になる計算だ(下図参照)。

 楽天でんきの料金の特徴は、基本料金が“ゼロ円”となっているため、まったく電気を使わないときには料金は0円となる。その一方、電気を使えば使うほど、従来の電気料金と比べて割安になる仕組みになっている。

 そのほかのメリットとしては、解約手数料は無料で、違約金などは一切設定されていない点、新電力会社の中では数少ない全国に対応しているので、引っ越しをすることになっても、新居で切り替えをすれば利用できる点などが挙げられるだろう。また、ネット上で電気の使用量や料金がいつでも確認することができるため、“節電”意識の向上にも役立つはずだ。

 貯まった楽天スーパーポイントは、もちろん楽天市場やリアル店舗でも買い物代金として使えることに加え、電気代の支払いに充当することができる。また、楽天証券では、投資信託の購入代金としても利用可能なので、電気料金で還元されたポイントで投資を始めるのもいいだろう。最低100ポイントから1ポイント刻みで買い付けができるので、毎月、積立投資をすることもできるのだ。

 電気料金の仕組みが分かりやすく、手続きもシンプルな楽天でんき。まずはシミュレーションで、お得さを実感して欲しい。

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