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田代尚機のチャイナ・リサーチ

個人投資家vsヘッジファンド、米で勃発した新手の仕手戦を巡る大きな懸念

2021年2月3日 7:00

ゲームソフト販売チェーン・ゲームストップの株を舞台に壮絶な仕手戦が(米・イリノイ州。EPA=時事)
ゲームソフト販売チェーン・ゲームストップの株を舞台に壮絶な仕手戦が(米・イリノイ州。EPA=時事)

 アメリカの株式市場では新手の仕手戦が繰り広げられている。仕手のニューフェイスは結束した個人投資家集団。彼らが空売りで利益を得ようとするヘッジファンドたちを「踏み上げ」(*)ている。すでに大きな損失を出しているヘッジファンドも出ている。

【*踏み上げ/信用取引での空売りの買い戻しを巻き込んで相場が上昇すること】

 今回の仕手戦の代表銘柄はゲームストップ株(GME)である。スマホゲーム全盛の中で業績が低迷、成長見通しの立ちにくいゲームソフト販売チェーンだ。元々、空売り比率が高かった銘柄だが、今年に入って株価が急騰し、一時約20倍にまで上昇した。この株価急騰の影響もあって、ヘッジファンド大手のメルビン・キャピタル・マネジメントは1月に運用資産の50%超を失ったと言われる。

 株価を急騰させたのは、個人投資家集団だ。子供のときからゲームに慣れ親しんできた若い投資家たちが、自分たちの愛着のある企業を救おうとオプション取引を使って、捨て身で買い向かっているように見える。

 彼らがネット取引を行うプラットフォームは、ロビンフッドという名前の手数料無料の投資アプリである。このアプリを運営するロビンフッド・マーケッツ社はいわゆるスマホ証券会社といわれる個人投資家と証券会社を結ぶ仲介サービス業者で、2013年4月に設立された新しい会社である。個人投資家からは一切手数料を取らず、証券会社から受け取るバックマージンや、顧客から預かる資金を一部運用して得られる金利収入などを主な収益源とするいわゆる典型的なネット系ビジネス企業だ。

“金持ちたちからお金を盗み、貧しい人たちに分け与える”。あのロビンフッドがアプリ名であり、社名の一部である。貧富の差が大きく拡大した現代のアメリカ社会。この企業の心意気は社会に不満を持つ若者たちの心に響いているのかもしれない。ロビンフッドで取引を行うほぼ素人同然の投資家集団はその規模を急速に拡大させ、市場における存在感を際立たせ始めている。

 問題は、彼らが「レディット」という名の、日本で言えば旧2ちゃんねるのようなネット掲示板を使い、株関連のスレッドの中で“ゲームストップを守るために買い支えよう”、“悪者である空売りするヘッジファンドをやっつけよう”などといった主旨の呼びかけに共感し集結したという点にある。

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