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【日本株週間見通し】日経平均はもみ合いか FOMCで物色動向に変化

FOMC後、日経平均は軟調に

FOMC後、日経平均は軟調に

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の6月14日~6月18日の動きを振り返りつつ、6月21日~6月25日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は週後半にかけて軟調となった。週半ばから米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えてはいたが、週初の日経平均は堅調で213.07円高。米長期金利の低位安定を背景に半導体関連株が上昇したほか、端午節の祝日の関係で中国および香港市場が休場だったため、週明けのアジア株高を見越した海外勢が日本株に一部買いを入れた影響もあったようだ。15日の日経平均も堅調で279.50円高の29441.30円で引けた。米長期金利の落ち着きやフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)の大幅高を背景に東京エレクトロン<8035>など半導体関連株が強含んだほか、1ドル110円台に乗せた円安も追い風になった。

 FOMCを直前に控えた持ち高調整の売りから150.29円安となった16日を挟んだ翌17日は、FOMCの結果を受けて272.68円安と大きく続落。米連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和の縮小(テーパリング)については「議論のための議論」とするに止めたが、政策金利予想(ドットチャート)の中央値が2023年内での2回の利上げを示唆したことで予想以上にタカ派的と捉えられた。米長期金利が急伸したこともあり、グロース(成長)株など値がさ株を中心に売りが嵩んだ。しかし、売り一辺倒だった前場とは打って変わって後場は下げ幅を縮小する動きが続き、終値では29000円を回復した。

 週末は、米長期金利がFOMC前の水準に戻し、景気過熱やインフレを見越したリフレトレードの巻き戻しが生じた17日の米株式市場の動きを映し、東京市場でも海運業や鉱業が売られる一方、日本電産<6594>やエムスリー<2413>などのグロース株が大幅高となった。ただ、トヨタ<7203>の大幅下落などが投資家心理の重しになったほか、経済指標の下振れや期待インフレの低下と相まった米長期金利の低下は景気のピークアウトを示唆するとの見方もあり、景気循環性の高い日本株を敬遠する動きから日経平均は上値の重い動きとなり、29000円を割り込んで終えた。

 今週の日経平均はもみ合いか。FOMC後の長期金利や期待インフレ率の落ち着きを受けて、グロース株が相場を下支えしそうだ。一方、景気過熱を見込んだリフレトレードの小休止から景気循環株は上値の重い動きとなり、全体がまちまちとなる中、指数の方向感は乏しくなりそうだ。

 FRBは今回のFOMCを上手く切り抜けた。政策金利予想(ドットチャート)では、参加者18人のうち13人が23年末までに少なくとも1回の利上げがあると予想し、3月時点の7人から倍近くに増えた。また、22年中に利上げがあると見込んだ参加者も7人と、前回の4人から増えた。想定以上にタカ派的と捉えられたようだが、パウエルFRB議長は会見で「これらの予測は委員会の決定や計画を示すものではない」など緩和的な姿勢も示したことで、バランスの取れた結果となった。実際、長期金利が上昇していたなかでもハイテク株は下げ渋り、当日のナスダックの下落率は0.24%とタカ派サプライズがあったとは思えない動きとなった。

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