秋山博康 刑事バカ一代
2022年2月12日 15:00 週刊ポスト
徳島県警を退職後は犯罪コメンテーターとして活躍する「リーゼント刑事」こと秋山博康氏の連載「刑事バカ一代」。秋山氏が徳島県警から東京の警視庁に出向したときの体験を振り返る。
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おはようさん、リーゼント刑事こと秋山博康です。
徳島県警で定年まで勤めたワシだが、実は東京の警視庁に出向したことがある。1998年の明石海峡大橋完成後、本州の犯罪集団が四国に上陸するようになった。そこで、警視庁の捜査第一課に出向して凶悪犯罪捜査のノウハウを学んで来いとの命令が下ったんや。
殺人や強盗、人質立てこもりや誘拐などを担当する捜査第一課は、警視庁の中でも選りすぐりの精鋭が集まるプロ集団や。だからこそ最初が肝心とワシは思った。
2000年4月1日、ワインレッドのワイシャツにダブルのスーツ、花柄のネクタイにリーゼントをバッチリ決めたワシは警視庁の門を叩いた。だがそこにいたのは七三分けに白いワイシャツ、濃紺のパリッとしたスーツの刑事ばかりで、ワシは完全に浮いていた。
「おい貴様、そんな恰好で辞令を受け取る気かっ!」
偉い人に怒鳴られたワシは売店で白いワイシャツを買い、背恰好が似ている刑事にスーツを借りて辞令を受け取った。その後も徳島の田舎者扱いをされて、警視庁の部内報には「ふしだらな恰好をした出向者が現われた」と書かれた。
最初に担当したのは、人気女子アナのストーカー男が、彼女を「ぶっ殺す」と脅迫した事件だった。捜査第一課が逆探知で割り出した公衆電話を張り込んだワシは、ノコノコと現われたストーカー男を背負い投げして現行犯逮捕した。
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