「賃上げ」で株価上昇が期待できる銘柄32【その2】
また今の賃上げの流れに伴って「以前から人材への投資に積極的だった企業にも改めて注目が集まっている」(戸松信博・グローバルリンクアドバイザーズ代表)という。
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、昨年4月からキャスト(アルバイト)の基本時給を一律100円引き上げた。コロナ禍の休園を経て客足が減少したが、その後、業績を急回復させている同社。今年上半期には新施設のオープンを控えており、注目が高まる。
また、東京海上日動火災保険は、デジタル分野や語学などの社内外の研修参加費や書籍購入費に充てることを想定し、昨年7月から毎月2万円の「学び直し」手当を全社員に支給している。
「同社の持ち株会社・東京海上HDは2000年代以降、海外への積極投資に成功しており、ブランド力や資金力を高めている。優秀な人材が集まりやすく、株価上昇が期待できます」(戸松氏)
全国旅行支援も後押し
給料アップによって個人消費が増加すれば、その恩恵をダイレクトに受ける業界や企業は少なくない。マーケットバンク代表の岡山憲史氏が言う。
「企業の賃上げや行政の生活支援が進めば、家計の財布の紐が緩んで支出が増えるはずです。その使い道は様々ですが、個人消費の増加の恩恵を受けやすい企業ほど、株価も上昇が予想されます」
まず好影響がありそうなのが、物価高により売り上げが減った小売業だ。
「食品スーパーのヤオコーや総合小売大手のイオンのほか、『無印良品』を展開する良品計画などに注目です。賃上げにより、生活に直結する食料品や日用品を、これまでより多めに購入する人の増加が考えられます」(岡山氏)