「K-POPの推し活を卒業した」人たちの事情とは(写真:イメージマート)
BTSの世界的な大ヒット以降、日本国内でもK-POPにハマり、推し活に励むファンたちが激増した。ところが、ここ最近では空前のブームに変調の兆しが見えるという。今年に入って人気グループが複数出演するライブ会場でも空席が目立つようになっている現状を伝えた前編記事に続き、本記事では「K-POPの推し活を卒業した」という当事者の声を紹介する。
社会人になり「推しより自分に投資したい」と決意
都内の不動産会社に勤務する女性・Aさん(20代)は、今年から社会人になったことをきっかけに「K-POPから離れる決意をした」と語る。
「大学生になった頃、コロナ禍でオンライン授業を受ける日々でした。そんな中で出会ったのが、『TOMORROW X TOGETHER』。大学時代のすべてを彼らに捧げたし、アルバイトで稼いだお金も使える限り、CD、チケット、グッズに使ってきました。来日するコンサートはすべて足を運んで、自作のグッズを作ったりもして、とにかく夢中でした。
でも昨年、大学4年生になったときにふと考えたんです。『私いつまで他人にお金を使う人生なんだろう……』って。すぐに社会人になるのに貯金はゼロ。推しは大好きだけど、将来結婚したいし、子どもも2人以上は欲しい。そしたら、真剣に婚活もしたい。そうなってくるとK-POPに使えるお金と時間ってないんじゃないかって思って……。でもファンをやめる勇気がなかったから、『大学卒業式の日に、ファンも卒業する!』って友達に宣言したんです」(Aさん)
社会人になるのを機にK-POPファンを卒業したAさんだが、K-POPシーンが変化していることもファンをやめる原因になったと語る。
「やっぱり、K-POPの事務所への不信感も熱が冷めたきっかけの一つですね。『TOMORROW X TOGETHER』は、HYBEに所属していて、同じ事務所で『NewJeans』の問題があったじゃないですか。それまでも『ファンを大事にしてない、金ヅルだと思われてるんじゃないか』と思うことはあったけど、『所属アーティストを大事にしないのは許せないな』って。そういう違和感も、ファンをやめる理由になりましたね」(同前)