*07:55JST 21日の米国市場ダイジェスト:NYダウは816ドル安、米国資産売り強まる
■NY株式:NYダウは816ドル安、米国資産売り強まる
米国株式市場は続落。ダウ平均は816.80ドル安の41860.44ドル、ナスダックは270.07ポイント安の18872.64で取引を終了した。
長期金利上昇を嫌気した売りが先行し、寄り付き後、下落。欧州中央銀行(ECB)が21日発表した金融安定報告で、米トランプ大統領の関税政策で米国資産のリスクに対する投資家の懸念が強まり、世界の金融システムにさらなる衝撃を与える可能性があると指摘。また審議中の減税法案を巡り、財政悪化懸念が広がり、長期金利が一段高、午後下げ幅を拡大した。ダウは管理医療会社ユナイテッドヘルス(UNH)の下落も重しだった。ナスダックはアルファベット(GOOG)の上昇を追い風に一時プラスに転じるも買いの勢いは続かず下落して終了。セクター別では自動車・自動車部品が下落、メディア・娯楽が上昇した。
管理医療会社ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)は下落。金融機関による投資判断の引き下げに加え、介護施設の入居者が病院に転院するのを防ぐため同社が介護施設側に秘密裏に金銭を支払っていたと報じられた。ディスカウントストア大手のターゲット(TGT)は発表した第1四半期決算が売上高、調整後1株当たり利益など市場予想に届かず下落。通期の売上高見通しも引き下げた。関税を巡る不透明感に加え、同社がDEI(多様性・公平性・包括性)の取り組みを後退させたことに抗議した消費者による不買運動などが影響した。半導体製品を手掛けるウルフスピード(WOLF)は数週間以内に日本の民事再生法に相当する連邦破産法第11条の適用を申請する準備を進めていると報じられ急落。
検索のグーグルを運営するアルファベット(GOOG)はグーグル開発者会議で米国のすべてのユーザーを対象に、AI(人工知能)を用いた検索サービス「AIモード」を提供すると発表したことが好感され上昇した。
パワー半導体の設計・開発を手掛けるナビタス・セミコンダクター(NVTS)はエヌビディアとの提携を発表し、時間外取引で買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米国資産のリスクに対する投資家の懸念が強まる
21日のニューヨーク外為市場でドル・円は143円89銭まで買われたものの、米国資産安を嫌気して143円29銭まで下落し、143円65銭で引けた。欧州中央銀行(ECB)は21日発表の金融安定報告で、トランプ米大統領の関税政策を受けて、米国資産のリスクに対する投資家の懸念が強まり、世界の金融システムにさらなる衝撃を与える可能性があると指摘したことがドル売りにつながった。米国株式と米国債の売りが広がった。
ユーロ・ドルは1.1318ドルから1.1363ドルまで上昇したが、1.1328ドルで引けた。米国資産安を受けたユーロの買戻しが観測された。ユーロ・円は162円70銭まで下落後、一時163円11銭まで反発。ポンド・ドルは1.3401ドルまで下落後、1.3453ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.8266フランから0.8227フランまで下落した。
■NY原油:弱含みで61.57ドル、中東情勢の悪化を警戒した買いは一巡
NY原油先物7月限は弱含み(NYMEX原油7月限終値:61.57 ↓0.46)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比-0.46ドル(-0.74%)の61.57ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは61.28ドル-64.19ドル。中東情勢の悪化を警戒した買いは一巡し、一時61.28ドルまで下落。米国株安が嫌気された。通常取引終了後の時間外取引では主に61ドル台半ばで推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 43.25ドル -1.44ドル(-3.22%)
モルガン・スタンレー(MS) 125.30ドル -3.83ドル(-2.96%)
ゴールドマン・サックス(GS)593.46ドル -13.06ドル(-2.15%)
インテル(INTC) 20.69ドル -0.58ドル(-2.72%)
アップル(AAPL) 202.09ドル -4.77ドル(-2.30%)
アルファベット(GOOG) 170.06ドル +4.74ドル(+2.86%)
メタ(META) 635.50ドル -1.60ドル(-0.25%)
キャタピラー(CAT) 342.51ドル -6.98ドル(-1.99%)
アルコア(AA) 28.27ドル -0.52ドル(-1.80%)
ウォルマート(WMT) 96.43ドル -1.37ドル(-1.40%)
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