*15:17JST 株式会社CRI・ミドルウェア×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(7)
CRI・ミドルウェア<3698>
■CRI・ミドルウェア 櫻井様
シェアについて単純に比較するのは難しいのですが、先ほどお話ししたADX-ATのオーディオ製品に関しては、具体的なパーセンテージは公開していません。ただ、国内の日系自動車メーカーの年間生産台数が約2,500万台と言われている中で、当社の実績としては現在約600万台分の採用となっています。
音声製品に関しては競合も存在しますが、これまで多くの車両では音声処理をマイコン上で直接実装してきたため、当社のミドルウェアは従来の内製開発を代替する形で採用されるケースが多いです。したがって、従来の内製ソリューションから当社のミドルウェアへ切り替わるという位置付けで、競合製品との直接的なシェア争いというよりは、市場の変化に伴う展開を進めている状況です。
●DAIBOUCHOU
つまり、自動車メーカー側が内製で開発していた音声処理機能を、今回ミドルウェアに置き換えていくという流れという理解でよろしいでしょうか。
■CRI・ミドルウェア 櫻井様
はい、オーディオに関してはそうです。
一方で、グラフィックス分野では、メーターグラフィックスを提供する競合製品がいくつか存在します。特にヨーロッパのメーカーを中心に高級車向けに採用されており、今後、そうした分野での採用台数が増加することで、競合として意識されるケースが増えると考えています。
●DAIBOUCHOU
次に、車載向け事業についてお伺いします。
メーターグラフィックスだけでなく、車両接近通報装置やETCなど、他の車載機能への展開も計画されていると伺っています。これらの用途での採用状況や、今後の成長イメージについて教えていただけますでしょうか。
■CRI・ミドルウェア 櫻井様
まだ詳細はお話しできない部分もありますが、車内にはコックピットや運転席周りだけでなく、さまざまな箇所で音声が使用されています。実際にETCシステムの一部では、すでに当社の技術が使われているケースもあります。案件ごとに要件が異なるため、一概に「これをやればどこで使われる」とは言い切れませんが、音声技術が必要とされる場面は多岐にわたると考えています。
現在、画面に表示している内容にもある通り、当社のミドルウェアは「メータークラスタ」と呼ばれる運転席正面の表示装置での採用が進んでいます。加えて、ETC機器にも一部導入が進んでいます。
もちろん、ナビゲーションやカーオーディオといった領域も対象ではありますが、それ以外の車載機能についても、コスト対策や音質の向上といった観点から、さらなる展開を目指しています。
●DAIBOUCHOU
確かに「音」に関しては、たとえばセンターラインをはみ出しそうになった際に警告音が鳴ったり、バックする際に壁などの障害物が近づくとアラート音が鳴ったりと、さまざまな場面で音によって注意を促してくれる仕組みがあります。こうした機能は非常に便利であり、このような仕組みに貴社のミドルウェアが活用されていると考えると、非常に興味深く感じます。
■CRI・ミドルウェア 櫻井様
現在は警告音として使われているものが、今後は音声ガイドとして分かりやすく案内する形式に変わったり、より聞き取りやすい音に改善されたりすることが考えられます。当社としては、そういった点を今後さらにアピールしていくことになるのではないかと思います。
●DAIBOUCHOU
確かにその通りですね。たとえば、「壁まであと何センチ」といった情報まで音声で教えてくれるようになれば、非常にありがたいと感じます。
こうした技術の採用先が増えていけば、同じ生産台数であっても、採用される製品の種類や分野が広がることで、貴社の売上もさらに伸びていくのではないでしょうか。
■CRI・ミドルウェア 櫻井様
そうですね。もちろん、全体の台数自体も今後増やしていきたいと考えていますが、やはり台数だけでは成長に限界があると思います。そのため、1台あたりに搭載される採用数を増やすという方向性も同時に追求していきたいと考えています。
●DAIBOUCHOU
貴社の音声・映像ミドルウェアは、動作が非常に軽いという特長をお持ちだと伺っています。その点が、自動車や家電といった、比較的ハードウェアの処理能力が限られている分野に非常にマッチしている印象を受けましたが、このような認識でよろしいでしょうか。
■CRI・ミドルウェア 櫻井様
おっしゃる通りです。当社のミドルウェアは、動作が軽いため、コストを抑えられる点が大きな特長です。また、同じハードウェア環境でも高品質な音を出すことができたり、同時に多くの音を鳴らすことができたりする点も、強みのひとつだと考えています。
●DAIBOUCHOU
なるほど。やはりハードウェアの性能が低い分、コストを抑えて製品を作ることができるという理解でよろしいでしょうか。
■CRI・ミドルウェア 櫻井様
はい。その通りです。ものづくりに携わる皆様はコスト意識が非常に高く、少しでもコストを抑えたいというニーズは強いと認識しています。
●DAIBOUCHOU
そういうことですね。つまり、貴社のミドルウェアを導入する際に多少コストがかかっても、その分ハードウェアのスペックを過剰にしなくて済むため、全体のコストが抑えられ、結果として販売価格を低く設定できるという理解でよろしいでしょうか。
■CRI・ミドルウェア 櫻井様
はい。その通りです。当社のミドルウェアを使用することで、こうしたハードウェア構成での実現が可能になります。ハードウェアコストを削減できた分の一部を当社に還元いただく形になると考えています。また、CRI・ミドルウェアを活用したことで実現できる音の表現力といった付加価値についても、積極的にアピールしております。
●DAIBOUCHOU
なるほど。自動車分野で貴社のミドルウェアを活用することで、これまで実現が難しかった音響演出などには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
■CRI・ミドルウェア 櫻井様
現在の車両では、まだ大きな革新的な音響演出は多くないかもしれません。しかし、自動車の音には厳格なルールがあり、特に警告音に関しては、他の音にかき消されて聞こえなくなることは許されません。そのため、メーカーから細かい音のルールや指示が出されており、従来はプログラマーの方がその指示を細かく実装していました。ミドルウェアを導入することで、これらの音響制御が非常に簡単に実現できる点が、大きな強みのひとつだと考えています。
株式会社CRI・ミドルウェア×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(8)に続く
<MY>