*07:58JST NYの視点:米7月住宅着工件数は改善も許可件数はパンデミック来で最低、在庫積み上がりで今後の伸びは低調か
米商務省が発表した7月住宅着工件数は前月比+5.2%の142.8万戸と、6月から減少予想に反し増加し、2月来で最高となった。集合住宅建設が+10%と2年ぶりの高水準となった。6月+33.6%に続き強い伸びとなり、全体指数を押し上げた。重要な項目で、住宅建設の大半を占める一戸建て住宅は+2.8%の93.9万戸だった。連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測で住宅需要の増加期待が強まったと見られる。
一方、住宅建設許可件数は前月比―2.8%の135.4万戸と、予想を下回りパンデミックによる経済封鎖直後の2020年6月来で最低。一戸建て住宅建設許可件数は2月来で初めて増加。集合住宅建設許可件数は減少した在庫の積み上がりや住宅ローン金利の高止まりで需要の鈍化を警戒し、今後、数四半期の建設が低調にとどまると見られている。供給は2007年来で最高に達した。同時にトランプ政権の大型減税案に低賃金住宅提供が含まれているため、低コストで小規模住宅の建設増加が見込まれ、指数を押し上げるとの指摘も見られる。
全米住宅建設業者協会(NAHB)が発表した直近の8月NAHB住宅市場指数は予想外に低下。住宅建設業者の悲観的見解と楽観的見解の境目となる50を16カ月連続で下回る結果となった。6月と同様、22年12月来で最低に落ち込んだ。FRBの利下げが明確となるまで、住宅市場の低調な動向が継続する可能性がある。
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