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【注目トピックス 日本株】rakumo Research Memo(3):Google・Salesforceのグループウェアを拡張するツールを提供

*13:03JST rakumo Research Memo(3):Google・Salesforceのグループウェアを拡張するツールを提供
■事業概要

1. 事業概要
rakumo<4060>はITビジネスソリューション事業の単一セグメントである。なかでも、サブスクリプション型であり、継続成長率の高いSaaSサービスが主力である(2025年12月期の売上高構成比は97.8%)。Google及びSalesforceとパートナーシップを結び、両社のクラウド上でGoogle Workspace版「rakumo」Salesforce版「rakumo」を提供している。クライアントはベンチャー企業から大企業まで業種、規模を問わず幅広く、2025年6月末時点のクライアント数は2,499社(前期末比26社増)と着実に増加している。

Google Workspace版「rakumo」では、Googleが提供するグループウェア「Google Workspace」と連携し、機能拡張したアドオンツールとして提供している。Google Workspaceは一般ユーザー向けに提供開始されたこともあり、「rakumo」は企業がGoogle Workspaceを利用する際に不足する機能の補完や、より使いやすい画面の設計、より便利に利用できる機能を追求し、提供している。具体的には、共有スケジューラー「rakumoカレンダー」、共有アドレス帳「rakumoコンタクト」、電子稟議システム「rakumoワークフロー」、電子掲示板「rakumoボード」、経費精算システム「rakumoケイヒ」、勤怠管理システム「rakumoキンタイ」の6つのサービスを提供している。同様にSalesforce版「rakumo」では、共有カレンダー「rakumoソーシャルスケジューラー」と、カレンダー同期サービス「rakumo Sync」を提供している。

「rakumo」の価格はプロダクトごとに細分化している。「rakumoカレンダー」は1つのIDにつき月額150円(税抜き。以下、同)、「rakumoコンタクト」は同100円、「rakumoワークフロー」は同300円、「rakumoボード」は同200円、「rakumoケイヒ」は同300円、「rakumoキンタイ」は同300円となっている。また、複数のプロダクトをまとめて購入するパッケージプロダクトも取り揃えており、「rakumoカレンダー」「rakumoコンタクト」「rakumoワークフロー」「rakumoボード」の4つのプロダクトが利用できる「rakumo Basicパック」は同490円、全6プロダクトが利用できる「rakumo Suiteパック」は同880円となっている。

同社は2025年7月にGoogle Workspace版「rakumo」一部製品及びパックの利用料金を改定すると発表した。料金改定の背景は、大型アップデートによるサービス価値の向上である。今回のアップデートでは、GoogleのAI技術「Gemini」や「Vertex AI」を活用したAIエージェント「rakumoエージェント」を新たに搭載し、業務効率やユーザー体験を大幅に向上する。また、既存顧客から要望の多かったカレンダーで社外とのスケジュール調整を効率化する日程調整機能や、ワークフローのコメント・ディスカッション機能などの新機能も追加する。加えて、従来は有償オプションとして提供していた一部機能を標準搭載とするため、ユーザーにとっては一段と利便性が高まる。なお新規契約に関しては2025年10月1日からすべて新料金体系へ、既存契約は2026年1月1日以降に契約更新のタイミングを迎えたものから順次切り替えていく。利用料金改定は「rakumoカレンダー」「rakumoコンタクト」「rakumoボード」「rakumo ワークフロー」と、それらを含む「rakumo Basicパック」「rakumo Suiteパック」となる。

2. 「rakumo」サービスの特徴
同社の事業は、Google及びSalesforceとの強固なパートナーシップを基盤としている。このため、両社のプラットフォームの仕様に合わせた製品開発及びメンテナンスが重要となる。ただし、同社は、多岐にわたるサービスラインナップとカバー範囲を確立しており、これが新規参入に対する障壁となっている。

同社が提供するGoogle向けSaaSサービスは、Google Workspace上で提供される業務支援ツールで、カレンダーや経費精算などプロダクトのカバー範囲も広く、多種多様なクライアントのニーズに対応可能な柔軟性を持つ。また、製品間のシームレスな連携により、重複入力や重複対応が不要となり、ユーザーの効率性の向上や作業ミスの低減につながっている。加えて、「rakumo」の導入によりセキュリティを確保しながらスムーズな業務運営が実現できる点も、企業にとって大きな価値となっている。こうした多機能かつ統合的なサービスは顧客の利便性を高め、長期的な利用を促している。結果として、同社は高い顧客定着率を維持しており、安定したサブスクリプション収益基盤を形成している。

3. ビジネスモデル
主要サービスである「rakumo」の収益モデルは、ユーザー数に応じた継続的なサービス提供を前提とするサブスクリプション型である。収益が継続的に積み上がるストック型ビジネスとしての安定性を持ちながら、新規契約数の増加により高い成長も見込める。また、年間契約が主体で料金を一括前払いで回収するため、キャッシュフローの安定性が高いことも特徴である。

また、販売代理店(販売パートナー)との密な連携に加え、インターネット経由の直接販売(インバウンド)の両軸で販売を実施することで、効率的な販売体制を構築している。販売パートナーへの卸値が同社の売上高計上額となるため、会計上の売上高や営業費用にはマージンが含まれない。これにより、SaaSサービスの売上高の多くがそのまま売上総利益となり、高収益な事業構造を実現している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)

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