保険契約における告知義務について解説(イメージ)
医療保険や生命保険の契約締結に際し、病歴の告知義務が定められている。では、保険契約後に健康状態が変化した場合、それも告知しなければならないのか。実際の法律相談に回答する形で弁護士の竹下正己氏が解説する。
【質問】
10年前に生命保険や、がん保険に入りました。問題は3年前に発症した糖尿病です。知人の話によれば発病したことを保険会社に告知しておかないと、万が一の際、保険料を満額もらえないケースもあるとか。加入したときは健康体でしたし、それでも保険会社に糖尿病の件を報告しておいたほうがよいですか。
【回答】
生命保険でも、がん保険でも、『保険法』では契約締結に際し、保険契約を申込む者(保険契約者)は、保険会社が重要として告知を求めた事項(告知事項)について、事実を告知する義務(告知義務)を定めています。
その告知事項の質問に対し、故意、または重過失により、事実を告知せず、嘘を言ったときは告知義務違反になり、保険会社は契約を解除できます。これはわざと、つまり、故意に告知しなかった場合だけではなく、告知しなかったことに重過失がある場合でも解除される理由になります。
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