今週のドル円はどう動く?
投資情報会社・フィスコが9月29日~10月3日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米国の雇用情勢は悪化しつつあるため、リスク回避的なドル売り・円買いが強まる可能性があるが、日本銀行の利上げ観測後退や日本の財政悪化が警戒されているため、リスク回避に絡んだ円買い拡大の可能性は低いとみられる。米国の雇用情勢が引き続き主要なテーマとなる。ADP雇用統計やJOLTS求人件数、ISM雇用指数などの関連指標に対しても神経質な反応が予想される。
9月雇用統計では失業率が横ばい、非農業部門雇用者数は前月比+5万人程度と見込まれている。非農業部門雇用者数が市場予想を下回った場合、米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派傾斜への思惑から米金利安・ドル安の展開もあり得る。
なお、10月4日の自民党総裁選に向け、各候補者の財政政策への関心も高まる見通し。現時点で市場は高市前経済安全保障担当相と小泉農相が有力とされている。積極財政とみられる高市氏の支持が広がれば円売りが強まるとの見方が出ている。
【米・9月ISM製造業景況指数】(10月1日発表予定)
10月1日発表の9月ISM製造業景況指数は49.2と、前回48.7からやや改善の見通し。ただ、節目の50を下回る状態が続けば、ドルの買戻しは小幅にとどまる。
【米・9月雇用統計】(10月3日発表予定)
10月3日発表の米9月雇用統計は失業率が4.3%、非農業部門雇用者数は前月比+5万人)、平均時給は前年比+3.6%の見通し。前回並みの低調な内容なら、10月利下げを確実視したドル売り要因に。