*16:47JST アドバンテストに一極集中で8割超が下落【クロージング】
29日の日経平均株価は大幅に反発。1088.47円高の51307.65円(出来高概算23億5000万株)と、史上最高値を更新して終えた。28日の米国市場では米中対立の緩和期待や米利下げ観測を背景にリスク選好の流れとなった。エヌビディアなど半導体株の上昇が目立ち、フィラデルフィア半導体(SOX)指数は最高値を更新したことが支援材料になった。
さらに、前日の大引け後に決算を発表したアドバンテスト<6857>が急伸。ストップ高まで買われて上場来高値を更新しており、同社1社で日経平均株価を1077円押し上げた。同社の強い値動きを受けて半導体や人工知能(AI)関連株など高市トレードでみられた銘柄の一角に物色が集中した。一方で、東証プライムの値下がり銘柄数は全体の8割超を占めるなど、跛行色の強い相場展開だった。
指数インパクトの大きいところではアドバンテストのほか、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、フジクラ<5803>、レーザーテック<6920>、ディスコ<6146>が堅調。半面、ファーストリテイリング<9983>、テルモ<4543>、ダイキン<6367>、京セラ<6971>、リクルートHD<6098>がさえなかった。もっとも、下落寄与度の大きい5社をあわせても106円ほどの押し下げ影響だった。セクターでは、非鉄金属、電気機器、建設、情報通信の4業種が上昇。一方で29業種が下げており、パルプ紙、不動産、空運、その他金融、倉庫運輸の弱さが目立った。
アドバンテストのインパクトは凄まじかった。指数インパクトの大きいが故に、指数連動型のファンドにおいて資金流入が強まった形であろう。アドバンテストの比率を高めざるを得ない状況であり、割高感が意識されているとしても買わないわけにはいかない。一方で、値がさ株であるため、他の銘柄を売却して組み入れる必要もあると考えられ、一極集中による需給の変化には注意する必要がありそうだ。
米国市場ではエヌビディアなど半導体の上昇が目立っているが、米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ決定や米中首脳会談で一定の合意がみられるようだと、ハイテク株主導の上昇が継続しやすいだろう。そのほか、決算発表が本格化してくるなかで、好業績銘柄は素直に評価されており、決算を手掛かりとした個別対応にも注目しておきたい。
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