*11:01JST 売れるネット広告 Research Memo(1):「魂」と「最強の組織」を融合、成長へアクセル
■要約
1. 「売れるD2Cつくーる」でD2C事業者を支援。成長加速を目指し経営改革
売れるネット広告社グループ<9235>は、D2C※1事業者向けダイレクトマーケティング※2にフォーカスし、D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業、グローバル情報通信事業、D2C(ネット通販)事業、ビジュアルコミュニケーションDX※3・WEB3※4事業を展開している。主力のD2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業では、ランディングページ(LP)※5制作などを支援する「売れるD2Cつくーる」が大変好評である。M&Aを軸に成長戦略を展開するなか、足元で事業内容やM&A作業、ガバナンスなど企業経営が急速に複雑化してきたため、創業者の加藤公一(かとうこういち)レオ氏は取締役の植木原宗平(うえきはらしゅうへい)氏に代表取締役社長を禅譲するという経営改革を打ち出した。これにより創業者が作り上げた「魂」と新社長が作り上げる「最強の組織」を融合し、成長のアクセルを踏む。
※1 D2C(Direct to Consumer):メーカーが消費者に直販する通信販売の形態。
※2 ダイレクトマーケティング:商品の購入やサービス申し込み、資料請求などのユーザーからのレスポンスを目的としたマーケティング(広告)のこと。Web広告では主にランディングページを指す。
※3 ビジュアルコミュニケーションDX事業:映像と双方向コミュニケーションであらゆる対話をデジタル化・収益化するサービス。
※4 WEB3事業:ビットコインなど、金融×マーケ×ファンコミュニティをブロックチェーンで再設計する事業。
※5 ランディングページ(LP):検索結果や広告、SNS、メルマガなどを経由して訪問者が最初にアクセスするページ。広義ではホームページを指すが、一般的な解釈(狭義)では、商品やサービスごとに完結し「売る」ことに特化した縦長レイアウトページを指す。
2. 再現性の高いA/Bテストやランディングページのノウハウなどに強み
「売れるD2Cつくーる」の強みは、再現性の高いA/Bテスト※1のノウハウやランディングページの独自性などにある。同社のA/Bテストは、創業時から2,600回以上「売る」ことにこだわって組織的に実行されてきたため再現性が高く、非常に競争力の強い「最強の売れるノウハウ」※2としてクライアントに提供されている。同社のランディングページは、デザイン性やストーリー性の高い商品説明を1ページで展開するなど、消費者が購入に集中しやすい作りになっているため、コンバージョン※3の確率が高くなっている。このほか、グループの事業領域をD2C関連に絞っているためクロスセルなどをスムーズに進められるうえ、D2C事業を自ら運営しているためクライアントに対する説得力も高いという強みを持つ。
※1 A/Bテスト:ネット通販事業者がネット広告の費用対効果を上げるための施策の1つ。集客用のランディングページなどクリエイティブを複数制作してネット広告を実施し、その後にクリエイティブそれぞれの効果を比較して改善していくこと。A/Bテストを繰り返すことで、ネット広告の費用対効果を向上できると言われている。
※2 「最強の売れるノウハウ」:同社が実施してきた2,600回以上のA/Bテストの結果のうち、費用対効果の改善が顕著だったノウハウを蓄積したもの。ネット広告の費用対効果を改善する高い効果があると言われているため非常に好評で、クライアント数の拡大、特に近年は大手クライアントの伸びにつながっているようだ。
※3 コンバージョン:Webマーケティングにおける最終成果のこと。一般消費者による商品の購入(売上)や資料請求の件数などクライアントの目的によって異なる。
3. M&Aを軸とする成長戦略で、2028年7月期売上高100億円を目指す
上場1年目の2024年10月に、同社は「既存事業の成長」「M&A事業による成長」「新規事業による成長」をエンジンとする成長戦略を策定した。これにより、国内のダイレクトマーケティング事業ではクライアント数の増加とクライアント単価上昇を進め、越境EC事業では中国と米国に特化していく方針である。また、グローバル情報通信事業では収益の安定化を図り、D2C(ネット通販)事業ではマーケティングを強化するほか、新たにビジュアルコミュニケーションDX・WEB3事業も開始した。なかでもM&Aは成長戦略の軸で、2027年7月末までに10社程度の子会社化を計画、2028年7月期にグループ売上高100億円を達成する「Ureru100」を目指している。こうしたM&Aをスムーズに進めるため、同社は2025年1月にホールディングス化している。
4. 2026年7月期は黒字化予想、前期の売上面に続き利益面でも花を咲かせられそう
2026年7月期の業績予想に関して同社は、M&Aについては織り込んでいないが、売上高1,880百万円(前期比20.0%増)、営業利益14百万円(前期は166百万円の損失)と見込んでいる。前期は売上面で成長戦略が開花したが、2026年7月期は黒字化予想のため利益面でも花を咲かせられそうだ。途中経過の2026年7月期第1四半期の業績は、売上高392百万円(前年同期比13.0%減)、営業損失8百万円(前年同期は54百万円の損失)となった。D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業の不正対策からの回復が想定以上に早かったため、予想を上回る着地となった。また、EBITDA(償却前営業利益)が黒字化しており、収益力や資金力は健全な状態にあるといえる。なお、足元の第2四半期も、第1四半期に引き続き順調に推移している模様である。
■Key Points
・再現性高いA/Bテストなどを強みにD2C事業者を支援する「売れるD2Cつくーる」を提供
・M&Aを軸とする成長戦略で2028年7月期売上高100億円を目指す。経営改革で成長加速へ
・2026年7月期は黒字化予想で、第1四半期は順調に推移。利益面でも花を咲かせられそう
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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