*16:52JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米イラン和平協議の行方、植田日銀総裁講演、米コアPCE価格指数
■株式相場見通し
予想レンジ:上限64500円-下限62000円
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比294.04ドル高の50579.70ドル、ナスダックは同50.87ポイント高の26343.97で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値60円安の63280円。カタール交渉団がイラン入りと伝わったことなどから、中東和平交渉の進展期待が優勢になった。米長期金利の低下なども安心感につながった。AI・半導体関連はまちまち、SOX指数は約2%の上昇となっている。
今週最大の注目イベントであった米エヌビディアの決算は、2-4月期実績、5-7月期見通しともに売上高が市場見通しを上回り、四半期配当金も引き上げている。さらに、800億ドル規模の自社株買い計画も発表。ポジティブインパクトの強い決算であったが、発表後の株価は軟調推移となっている。ただ、エヌビディア決算後の株価下落は、他のAI・半導体関連株には波及しなかった。AI半導体需要の強さがあらためて意識されることとなり、米国市場や日本市場のAI関連銘柄にはむしろ支援材料につながった形。エヌビディアの株価動向に対して、他の半導体株が一喜一憂するような以前の状況からは完全に変化しているものと受け止められ、株式市場にはポジティブな流れともいえよう。
今週の東京市場で最も注目を集めたのはソフトバンクGといえる。オープンAIのIPO準備報道、英アームの株価急騰などを背景に、21日には日経平均を804円、22日には577円押し上げたとされている。短期的には株価急騰の反動が日経平均に与える影響も懸念されるが、足下ではフジクラに代わるAI関連株の中心銘柄となってきており、調整場面では押し目買いも向かいやすいとみられる。いずれにせよ、AI関連株、ひいては日経平均株価の行方を左右するものとなり、その動向に注目度を高める必要があろう。なお、フジクラは高値から48%の急落となったが、週後半にかけてはリバウンドを強めており、目先はAI関連株に対する安心材料とはなるだろう。
米国とイラン双方で和平協議に進展と明らかにしているようだが、ここまでの経緯を見ても先行き不透明感は拭い切れない。原油相場も100ドルに近い水準での推移が続いている。今後も失望感と期待感が繰り返される状況が続く可能性は高いとみられる。また、仮に和平協議に大きな前進が見られた場合でも、原油相場の反落余地は大きそうだが、株式市場では株価水準から考えても、早い段階での戦争終結を織り込んでいる印象がある。むしろ、戦争終結はAI・半導体株の一極集中相場を変化させる公算があり、資金シフトによって指数にはマイナスの影響につながる余地もあると考える。ただ、この場合は、出遅れセクターや銘柄への投資チャンスとなるだろう。
日米ともに長期金利は高値圏での推移が続いている。来週は、国内では27日に国際コンファランスにおいて植田日銀総裁の挨拶が予定されている。一方、米国では28日に個人消費支出デフレーターが発表予定だが、26日には住宅価格指数が発表され、需要鈍化に伴ったインフレ抑制期待が高まる余地はあろう。ただ、いずれにせよ、日銀の6月利上げ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の当面の金利据え置きの可能性は高いと考えられる。なお、長期金利上昇下での株価上昇には違和感も、日本株に関しては、直近のプライム市場売買代金急増は海外市場の売買ボリューム変化と比較しても際立っており、海外投資家による日本株への資金シフトの強まりが意識されるところ。
■為替市場見通し
来週の米ドル・円は上げ渋りか。5月20日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、4月28-29日の会合では、インフレ率が連邦準備制度理事会(FRB)目標の2.0%を持続的に上回る状況が続く場合、利上げが必要との見解を示した。それを受け、年内利上げ観測が強まった。今後発表される経済指標が堅調な内容となり、引き締め的な政策スタンスが見込まれればドル買いが入りやすい。トランプ米大統領はイランとの和平協議について最終段階との認識を述べたが、戦争終結は保証されていないため、安全逃避的なドル買いが入りやすい地合いに変わりはないだろう。ただ、米ドル・円が防衛ラインとみられる160円に接近する局面では、日本の為替介入への警戒が高まるとみられ、リスク選好的な米ドル買い・円売りは縮小する可能性がある。
■来週の注目スケジュール
5月25日(月):東京地区百貨店売上高(4月)、全国百貨店売上高(4月)、米・株式市場は祝日のため休場(メモリアルデー)、英・株式市場は祝日のため休場(スプリング・バンクホリデー)、香港・株式市場は祝日のため休場(仏誕節の振替休日)など
5月26日(火):景気先行CI指数(3月)、景気一致指数(3月)、工作機械受注(4月)、フィリピンのマルコス大統領が国賓として訪日(29日まで)、米・S&PCS20都市住宅価格指数(3月)、米・FHFA住宅価格指数(3月)、米・消費者信頼感指数(5月)など
5月27日(水):企業向けサービス価格指数(4月)、日銀金融研究所が2026年国際コンファレンス「金融政策の新たな視野」開催(28日まで)、植田日銀総裁が開会のあいさつ、中・工業企業利益(4月)、欧・ユーロ圏新車販売台数(4月)、豪・消費者物価指数(4月)、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
5月28日(木):対外・対内証券投資(先週)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・耐久財受注(4月)、米・個人所得(4月)、米・個人消費支出(4月)、米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(4月)、米・GDP改定値(1-3月)、米・新築住宅販売件数(4月)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(5月)、欧・ユーロ圏景況感指数(5月)、南ア・南アフリカ準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、韓・中央銀行が政策金利発表、ニューヨーク連銀総裁、セントルイス連銀総裁、ベイリーイングランド銀行(英中央銀行)総裁がレイキャビク経済会議で講演(29日まで)など
5月29日(金):有効求人倍率(4月)、失業率(4月)、東京CPI(5月)、鉱工業生産指数(4月)、小売売上高(4月)、百貨店・スーパー売上高(4月)、住宅着工件数(4月)、消費者態度指数(5月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(5月)、独・失業率(失業保険申請率)(5月)、独・消費者物価指数(5月)、加・GDP(1-3月)、南ア・貿易収支(4月)、アジア安全保障会議(シャングリラ会合)(31日まで)、ボウマン連邦準備制度理事会(FRB)副議長、カンザスシティー連銀総裁がレイキャビク経済会議で講演など
5月31日(日):中・製造業PMI(5月)、中・非製造業PMI(5月)など
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