*11:05JST ガーデン Research Memo(5):猛暑や価格改定など様々な要因が重なる
■業績動向
1. 2026年2月期の業績概要
ガーデン<274A>の2026年2月期の業績は、売上高が17,895百万円(前期比4.3%増)、営業利益が1,301百万円(同29.6%減)、経常利益が1,211百万円(同29.7%減)、当期純利益が625百万円(同48.2%減)、期初予想との比較では売上高で394百万円、営業利益で748百万円の未達となった。厳しい決算だったが、期中に2027年2月期へ向けた対策を講じている。
日本経済は、雇用・所得環境の改善や訪日外国人の増加によるインバウンド需要の拡大を背景に、緩やかな回復基調が継続した。一方で、原材料価格やエネルギー価格の高騰、円安の影響に加え、地政学リスクの高まりなどにより、先行き不透明な状況が続いている。外食産業においては、原材料費や光熱費の上昇に伴う価格改定の影響により客単価は上昇したものの、物価上昇を背景とした節約志向の高まりにより客数が伸び悩んだほか、人手不足に伴う人件費の増加なども重なり、厳しい経営環境が継続した。また、2025年は春先から秋口にかけて記録的な高温が続き、消費行動の抑制要因となった。特にラーメン事業が売上の大半を占める同社は、これらの影響を直接受ける形となった。
こうした環境下で、同社は店舗運営においてQSCAの継続的な向上を図るとともに、アンケートなどを通じた顧客の声を反映した改善活動を推進した。また、人材面では、過去の実績やM&Aにより蓄積されたノウハウを基にマニュアル整備や多言語・動画による教育体制の強化を図り、新入社員の早期戦力化と定着率の向上に努めた。商品開発については、各ブランドにおいて季節・期間限定メニューを継続的に投入し、来店動機の創出を図った。特に主力ブランドにおいて、猛暑及び残暑への対応として冷涼感のある商品の開発・販売を行い、好評を得た商品については販売期間の延長を実施したほか、復刻メニューの展開などにより既存顧客の再来店促進にも取り組んだ。販売促進策については、メイン商品を月1回特別価格で提供するブランド別フェア「壱角家の日」と「うどんの日」を継続して実施したほか、特に酷暑で駅前立地の流動客減少に対処するため「お客様感謝祭」や「周年記念祭」などのキャンペーンを積極的に開催した。また、話題性のある取り組みについても一貫して力を入れており、アニメや映画とのコラボレーション、メディア対応やイベント連携などを積極的に実施し、ブランド認知の向上及び潜在顧客の獲得に取り組んだ。併せて、スマートフォンアプリを活用したクーポン配信やスタンプカード機能の導入により既存顧客の来店頻度向上を図るとともに、SNSを通じた情報発信により新規顧客の獲得も進めた。
この結果、既存店売上高は、キャンペーンの効果はあったものの、2025年10月中旬ごろまでの気温高止まりによる駅前を中心とした客数減、2025年2月期中に複数回実施した価格改定による離反、2025年11月の中国便減便による中国人客の減少により前期比4.0%減となった(客数は同6.9%減、客単価は同3.1%増)。店舗の出退店状況は、出店が20店舗(直営18店舗、FC2店舗)、退店が16店舗(直営7店舗、業務委託1店舗、FC8店舗)で、期末の店舗数は199店舗(直営172店舗、業務委託1店舗、FC26店舗)となった。ブランド別の内訳は、直営店の出店が「壱角家」10店舗、「山下本気うどん」3店舗、「萬馬軒」5店舗で、退店が「壱角家」3店舗、「すためし」3店舗、「鉄板王国」1店舗だった。また、期初の出店計画に対して、「壱角家」は2店舗の過達で着地したが、「山下本気うどん」は2店舗の未達となった。「壱角家」の過達は、昨今の原価高騰に伴う利益率の低下や販売単価上昇による顧客離れにより苦戦していた「すためし」や「鉄板王国」を、「壱角家」や「萬馬軒」に業態転換したことが理由である。リニューアルオープン後は好調に推移しており、特に「壱角家」は、これまでの都心1等地への出店だけでなく小商圏への出店余地も広げることができたと言えそうだ。「山下本気うどん」の未達は、必要面積が30坪程度のためコンビニエンスストアなど異業種と競合したことが理由である。FC店については、北海道や金沢などこれまで同社店舗のなかった地域に「山下本気うどん」を出店した一方、海外店舗を含む「壱角家」5店舗、「肉寿司」3店舗及び業務委託の「すためし」1店舗を退店した。
以上により、売上高は増収を確保した。利益面では、2025年10月中旬まで実施した客数回復のための販売促進キャンペーンに加え、10月まで安く仕入れられていたコメ価格が高騰したため、売上総利益率が低下した。コメ価格については、足元で下落傾向の模様である。販管費は、直営店舗増による店舗人件費及び店舗関連費用の増加、券売機の入れ替え、客数回復のための宅配増やキャッシュレス化による手数料増、「萬馬軒」「高田屋」のM&A及びタイ合弁といった先行投資により、売上高を上回る増加となった。また、想定より業績が厳しかったことから、特別損失に計上される店舗減損が例年以上に増加した。期初予想との比較では、売上高の未達は、価格改定による離反からの回復遅延、記録的な酷暑による駅前立地店舗への入客数減、「山下本気うどん」の出店未達が要因である。営業利益の未達は、売上高未達に加え、客数増につながらなかったキャンペーンによる粗利率悪化、直営店増に伴う店舗人件費の増加、客数減を補うために強化した宅配とキャッシュレスの手数料が要因である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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