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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】Sイノベーション Research Memo(3):環境変化による落ち込みから変革を実施し急回復へ

*11:33JST Sイノベーション Research Memo(3):環境変化による落ち込みから変革を実施し急回復へ
■Sharing Innovations <4178>の業績動向

1. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の連結業績は、当初は収益ともアップを見込んでいたものの、期中に見通しの下方修正を行うなど低迷し、売上高4,458百万円(前期比13.8%減)、営業利益100百万円(同58.0%減)、経常利益93百万円(同60.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益23百万円(同82.5%減)と減収減益決算となった。

前年に受注したSalesforce新ソリューション案件で外注比率が高まることなどによる採算悪化案件を上期で収束させ、下期にかけて利益が増えていくシナリオを描いていたものの、企業のIT投資スタンスの変化、技術の過渡期といった同社を取り巻く環境の変化が停滞をもたらした。

同社が強みを持つSalesforceなどのクラウド導入など国内のDX市場の拡大で成長を遂げてきたが、コロナ禍以降にDX投資を進めてきた企業が一巡、さらに生成AIの急速な進歩から企業サイドでも導入の様子見や先送りの機運が生じたことにより、DX受託開発にブレーキがかかったのである。

しかし、こうした状況に手をこまねいていたばかりではない。案件の難易度・サイズアップが加速したことも苦戦した背景にあるが、対応できるプロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)を増やすべく育成を強化する一方、顧客企業側で内製化が進展し、専門性の高い市場へニーズがシフトしロースキル領域の市場縮小に対しては、市場ニーズが高い専門性領域(AIやデータ等)に対応可能なパートナーエンジニアの開拓強化及び営業体制の強化を図り、期の後半から終盤にかけて徐々に回復の色合いを濃くしてきた。

2. 2026年12月期第1四半期の業績概要
2026年12月期第1四半期(1~3月)は、売上高1,036百万円(前年同期比14.9%減)と減収ながら、営業利益45百万円(同307.2%増)、経常利益46百万円(同698.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益24百万円(前年同期は3百万円の赤字)と利益面では鋭角的な回復となった。

前下半期からの回復に向けた勢いを持続した格好だが、その背景には2026年を「リカバリ期」と明確な位置付けをし、ビジネスモデル、収益性、事業ポートフォリオなどあらゆる面で改善を図った効果が現れ始めたと言える。

とりわけ、主力のDX事業の第1四半期は、売上高こそ939百万円(前年同期比16.5%減)となったものの、セグメント利益は116百万円(同47.4%増)と大幅なプラスになったことに注目できよう。

売上減少に対して営業利益が大幅増になったことの背景には、トップラインをむやみに追って無理な案件を追わず、収益性の高い案件を適切にマネジメントした結果であることは想像に難くない。営業利益の通期業績予想に対して、第1四半期時点の進捗率は37.8%となり、会社側では計画通りに進んだとしている。

3. 財務状況
財務面では、2026年12月期第1四半期末の資産合計が前期末比8百万円増加し、2,338百万円となった。現金及び預金が同97百万円増加したことなどが理由である。負債合計は前期末比で15百万円減少し、704百万円となった。流動負債のその他が21百万円増加した一方、固定負債の長期借入金が13百万円減少した。

純資産の残高は前期末比で24百万円増加して1,633百万円となり、その結果、自己資本比率は69.8%と前期末の69.0%から改善した。総じて、貸借対照表上で大きな変動はなく、財務面は引き続き盤石と言える状況である。

4. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の連結業績は、売上高4,500百万円(前期比0.9%増)、営業利益120百万円(同19.6%増)、経常利益119百万円(同27.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は40百万円(同66.9%増)と前期から一転して大幅増益を見込んでいる

先述したように、営業利益の進捗率は、通期見通し120百万円に対して第1四半期実績は45百万円であるため37.8%となり、数字の上で今期は快調な滑り出しとなった。不採算案件の整理、外注費の見直し、社内コストの低減を図った結果、利益率が向上したものである。PMやPLの採用・育成を強化したのに加え、各案件の進捗やコスト管理を厳格化したことで不採算化するリスクを早期に排除する態勢が整い、これらの成果が期を通して期待できる。また、占いアプリ「ウラーラ」などを展開するPF事業も、底堅く利益に貢献する見込みだ。

他方、通期見通しを据え置いていることに関し、第1四半期の増益要因として、前年に発生していた一過性の要因である品質改善費用などが消えたことやコストカットの効果があるほか、エンジニアの採用やPM・PLの育成投資もかかると見られ、会社側では慎重な姿勢を崩していない様子だ。ただ、第2四半期以降に売上高の回復が鮮明になった場合、通期予想の上方修正が発表される可能性は十分にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)

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