*13:17JST NSW Research Memo(7):中期経営計画の目標達成を目指し、事業戦略、経営基盤戦略、投資戦略を推進(1)
■NSW<9739>の中長期の成長戦略
1. 中期経営計画の概要
同社では、長期ビジョンとして売上高1,000億円を目指しており、前中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)では、目標としていた売上高500億円、営業利益率11%を達成した。2026年3月期からの中期経営計画の策定に際し、前提とする経営環境について、社会課題では少子高齢化や労働力減少、環境問題やエネルギー問題など、技術動向ではAIによるDXのさらなる加速や次世代情報通信技術(beyond5G、6G)の発展など、市場環境では技術革新と社会のデジタル化進展やベンダー企業・ユーザー企業における人材難などを想定した。こうした環境を前提に、中長期的な成長に向けては、成長を続けるIT市場への適応、高付加価値を生み続ける技術力、それらを実現する組織体制や強固な経営基盤の構築が必要であると考えている。
長期ビジョンの達成に向けたロードマップとして、中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を将来的な成長に向けて競争力を磨く「原点回帰=Reborn」の期間と定めている。すなわち、初心・原点に立ち返って地に足をつけた中期経営計画の推進を目指す。そのために、「DRIVE DX × Change The Standard」のコンセプトに基づき、Change Business(ビジネスを世界標準・業種スタンダードに)、Change Talent(積極的な人材投資による人的リソースの最適化)、Change Technology(将来の推進力となる技術の取り込み)を図る。
この中期経営計画を推進するための具体的な戦略としては、「事業戦略」で各セグメントのコア事業・基盤事業を拡大するとともに成長領域を創出し、「経営基盤戦略」で人材強化やグローバル展開やサステナビリティ推進などに取り組み、「投資戦略」で事業戦略や経営基盤戦略の実現に向けた投資を推進する。その成果として、最終年度の2028年3月期に売上高600億円、営業利益率12%、ROE10%以上などの達成を目指す。
2. 事業戦略
「コア事業・基盤事業の拡大」「成長領域の創出」のために以下の事業戦略を推進する。
(1) エンタープライズソリューション
Fit to Standardモデルへの転換を行う。「コア事業・基盤事業の拡大」のために、組立製造向けソリューションの拡充、クレジットカード事業者向けシステム開発領域からシステム企画領域への拡大、デジタルガバメントプロジェクトへのシフトを図る。「成長領域の創出」のためには、異業種連携による業務コンサル人材の創出、生成AIの各業種適用による新規ビジネスの創出、SI事業(システムインテグレーション事業)のビジネススタイル進化による持続可能なビジネスモデルの確立を目指す。なお「注力分野」として、ERP(企業が有する経営資源を一元管理しリアルタイムで経営判断に役立てるシステム)事業のFit to Standardモデルへの転換、AI活用によるモダナイゼーションの加速、スマートPOS事業による購買行動の革新を図る。以上により、事業規模を2025年3月期の155億円から2028年3月期には180~190億円に拡大し、うち注力分野については40億円から70億円に拡大する。
2026年3月期の取り組みでは、「生成AIを活用したビジネス転換」として、生成AIを軸に事業構造の転換と新たな成長の創出に取り組んだ。具体的には、2025年8月に、生成AIを活用し、メインフレームやオフコンなどのレガシーシステムのコード解析や要件定義書の自動生成、そしてモダンアーキテクチャでのコード最適化を一貫して支援する「スマートモダナイゼーションサービス」の検証を開始した。このサービスにより、従来多くの工数と専門知識を必要としていたレガシー資産の解析・移行・再構築を効率的かつ高精度に実現可能となり、企業のDX推進やレガシーシステムからの脱却を強力に後押しする。顧客のシステム刷新に応える体制が整い、モダナイゼーション案件における中~大規模案件の受注獲得が増え、生成AIを活用したモダナイゼーションの提案機会も増えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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