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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】NSW Research Memo(5):エンタープライズソリューション、サービスソリューションが大幅な減益

*13:15JST NSW Research Memo(5):エンタープライズソリューション、サービスソリューションが大幅な減益
■NSW<9739>の業績動向

2. セグメント別概況
(1) エンタープライズソリューション
売上高は16,349百万円(前期比4.9%増)、営業利益は1,698百万円(同25.6%減)、営業利益率は10.4%(同4.3ポイント低下)であった。売上高については、既存顧客を中心とした小売業向けシステム開発と、金融・保険及び官公庁向けの取り組みが増加したため、増収となった。営業利益については、経費増に加え、第3四半期に発生した不採算案件の影響により大幅減益となった。ただ、期初計画比ではおおむね計画どおりの進捗だ。また、受注高は16,277百万円(同1.8%増)、受注残高は6,511百万円(同1.2%減)であった。

売上高の内訳を見ると、金融・公共ソリューションの売上高は8,293百万円(前期比13.9%増)となった。金融・保険業向けは生損保領域が大幅に拡大して全体をけん引し、官公庁・団体向も手続きのデジタル化など官公庁向けのシステム開発が増加し好調に推移した。一方、ビジネスソリューションの売上高は6,281百万円(同1.8%減)であった。製造業・物流業向けは、物流分野における不採算案件発生と、その対応に伴う機会損失による影響で前期比減となったが、小売業向けは主要顧客の維持・拡大に努め、堅調に推移した。また、システム機器販売の売上高は下期に片寄る傾向があるものの、大口既存顧客のIT投資抑制も影響し、1,774百万円(同6.8%減)の減収であった。特に、小売業の新店舗出店に伴うPOSシステムやレジなどの機器販売が減少した。

(2) サービスソリューション
売上高は15,218百万円(前期比6.0%増)、営業利益は533百万円(同35.8%減)、営業利益率は3.5%(同2.3ポイント低下)となった。売上高については、IoTシステム構築関連やデータマネジメントサービスが好調で増収となった。営業利益については、経費増に加え、当期発生した不採算案件の影響により大幅減益となった。同セグメントは2020年3月期より独立したセグメントである。事業拡大に向けた体制強化、新サービス展開のための先行投資、不採算案件への対応などが影響し、その他の3セグメントと比較すると営業利益率が低い。新規顧客に取り組むため不採算案件が出やすいが、見積りの精度向上や品質管理の強化に取り組み、受注のタイミングで本部の検査を厳しくすることで不採算案件を減らしている。一方、受注高は15,317百万円(同3.4%増)、受注残高は7,121百万円(同1.4%増)と手堅く推移している。

売上高の内訳を見ると、デジタルソリューションの売上高は4,992百万円(前期比12.6%増)となった。IoT・AIは、製造業向けIoTシステム開発が好調に推移し、売上・利益面に貢献した。一方、Web・ECは不採算案件が続き利益面にインパクトがあったことから、管理体制強化による再発防止に取り組んでいる。クラウド・インフラサービスの売上高は10,225百万円(同3.0%増)となった。クラウドは、クラウドインテグレーションを中心に堅調に推移した。また、データマネジメントサービスは、引き続き好調に推移し、AIも活用した取り組みを見越した活動を進めている。

(3) エンベデッドソリューション
売上高は11,250百万円(前期比1.6%増)、営業利益は1,609百万円(同6.6%減)、営業利益率は14.3%(同1.2ポイント低下)と、高水準の利益率を維持した。売上高はオートモーティブ分野とインダストリー分野が堅調に推移して増収となった。伸び率は鈍化したものの、計画は上回った。営業利益については、経費増の影響で減益となったが、利益の積み上げを図り計画を上回って着地した。また、既存顧客の深耕により生産性が向上し、引き続き高い利益率を維持しているが、これは既述のとおり技術的な参入障壁が高く、独立系の同社規模で同事業を手掛ける企業が少ないためと考えられる。受注高は11,593百万円(同3.2%増)、受注残高は3,089百万円(同12.5%増)と順調である。

売上高の内訳を見ると、同社の得意分野であるオートモーティブは、既存顧客を中心にSDV※分野が引き続き堅調を維持した。インダストリーは、他分野との連携により付加価値を創出するモバイル分野を中心に拡大した。一方、通信では、既存顧客の案件の谷間なども重なり、前期比マイナスとなったが、対応領域の拡大を目指している。

※ Software Defined Vehicleの略で、ソフトウェアを変更することで価値や機能を増やしたり、性能を高められる自動車のこと。

(4) デバイスソリューション
売上高は9,612百万円(前期比6.8%増)、営業利益は1,447百万円(同13.3%増)、営業利益率は15.1%(同0.9ポイント上昇)と、高水準の利益率を維持した。売上高は、引き続き半導体設計・開発分野が好調に推移したほか、新規顧客開拓が貢献し増収となった。営業利益については、経費増の影響はあったものの、それを上回る地道な利益改善努力により増益となった。既存顧客の深耕により生産性が向上したほか、技術的な参入障壁が高く、独立系の同社規模で同事業を手掛ける企業が少ないこともあり、引き続き高い利益率を維持している。同社は汎用的な分野ではなく個別分野で強いが、取引先が固定化している分野であるため、主要顧客との関係強化により業績を伸ばしている。受注高は9,769百万円(同6.8%増)、受注残高は3,087百万円(同5.4%増)と順調である。

売上高の内訳を見ると、前期より注力をしてきた新規開拓の活動成果が出てきたこともあり、業績面は改善している。受注状況も堅調で国内における対応領域の景況感は悪くはないが、慢性的なリソース不足は解消していない。海外市場はより前向きな状況であるため、海外展開の推進に注力する。半導体分野は特に専門性が高く、業界全体の慢性的な人材不足もあり、同社ではベトナムをはじめ東南アジアを中心に海外活用やパートナー連携を本格化している。また、台湾でもアライアンスを組み、海外企業からの案件獲得も目指し、新規開拓を進めている。

無借金経営を継続し、財務の安全性が高い

3. 財務状況と経営指標
2026年3月期末における資産合計は前期末比2,139百万円増の49,289百万円となった。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産の増加、投資有価証券の増加による。負債合計は同337百万円減の11,397百万円となった。これは主に、買掛金の増加、未払法人税等の減少、賞与引当金の減少による。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い、同2,477百万円増の37,891百万円となった。

以上の結果、流動比率は前期末比37.3ポイント上昇の454.9%となり、短期的な支払い能力は極めて高い。また、固定比率は同0.9ポイント上昇の30.0%であった。固定資産(設備投資等)の調達は返済期限のない株主資本で十分に賄われており、無借金経営を続けている。自己資本比率は76.9%と同1.8ポイント上昇し、2025年3月期における東証プライム市場「情報・通信業」の平均31.4%を大きく上回っており、安全性は極めて高いと評価できる。一方、ROEは同0.6ポイント低下の10.1%、ROAは同2.0ポイント低下の11.5%となった。東証プライム市場の「情報・通信業」平均に比べROAは上回ったが、ROEはやや下回った。今後は、資本効率にも留意した経営に努める方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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