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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】ウェルネスC Research Memo(7):2027年3月期は大幅増益で過去最高益更新へ

*11:07JST ウェルネスC Research Memo(7):2027年3月期は大幅増益で過去最高益更新へ
■ウェルネス・コミュニケーションズ<366A>の今後の見通し

1. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の会社計画は、売上高17,500百万円(前期比18.4%増)、売上総利益4,800百万円(同54.4%増)、営業利益1,600百万円(同34.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,150百万円(同40.0%増)と、2ケタ増収、各利益段階は30%以上の成長を計画しており、前期に続き過去最高益を更新する見込みである。また、EBITDAは2,100百万円(同36.4%増)となり、初めて2,000百万円を突破する見通しとなっている。

増収増益を見込む背景には、複数の成長施策がある。具体的には、大企業市場の深耕拡大、中堅・中小企業市場の開拓加速、「Growbase」の価格改定※及び、パフォーマンス向上を支援する新プラン「Growbase Mentally」投入等による顧客単価の向上に加え、AI実装・活用による機能強化などが挙げられる。加えて、前期に買収したあしたのチームの通年寄与も業績拡大の要因である。特に「Growbase」の価格改定による売上高への寄与額は約1.7億円を見込んでおり、あしたのチームの利益貢献とともに業績拡大に大きく寄与すると見込まれる。

※ 2026年4月以降の価格改定を順次適用しており、直販顧客の70%が改定に合意済み。

なお、同社はデータとAIを中核としたプラットフォーム化構想を推進しており、企業組織や従業員のウェルビーイング実現に向けた行動変容を支援する企業への進化を目指している。この戦略の推進に伴い、2027年3月期から従来の事業セグメントを変更し、「健診ソリューション事業」は「ソリューション事業」へ、「健康管理クラウド事業」は「クラウド事業」へ再定義した。

この変更を踏まえた2027年3月期の計画では、各領域の強みをより明確に打ち出しながら成長戦略を推進する方針である。ソリューション事業では、ネットワーク健康診断の利便性をさらに高めるとともに、周辺サービスの拡充を通じて顧客1社当たりの付加価値を向上させる。一方、クラウド事業では、健康管理システム「Growbase」を基盤とするストックビジネスを一段と強化し、新機能の追加や中小企業市場への浸透拡大によって、強固な収益基盤を構築する計画である。

2. 中長期の成長戦略
同社は、労働人口減少という構造課題を起点に、人材の流動化、女性活躍・高齢化、管理職への業務負担集中、健康課題の多様化、中小企業、地域格差といった複数のテーマを想定し、企業の健康管理や人的資本経営に関する課題が法令対応にとどまらず、経営課題へと広がっていると認識している。このため、従来型のソリューション提供にとどまらず、ウェルビーイング・データを活用するAIプラットフォーム企業への進化を中長期戦略の柱に据えている。

その中心施策が「Growbase」のプラットフォーム化である。健康診断結果、勤怠、ストレスチェック、面談記録、エンゲージメントなどのデータを統合し、疾病予測や離退職予測、分析AIエージェントなどにつなげる構想を描いている。また、「i-Wellness」の利用企業に対して「Growbase」機能の一部を無償提供し、顧客接点の拡大を進める方針である。

市場戦略としては、大企業向けには価格改定やアップセル、提供メニューの拡充によってACV※の向上を図り、既存顧客の深耕と単価向上を進める。一方、中堅・中小企業向けには、あしたのチームの営業チャネルや人的リソースを活用し、開拓を加速する方針である。2026年2月に、あしたのチームの発行済株式67.6%を取得して子会社化しており、同社が持つ1,000社超の顧客基盤や、地方銀行・社労士事務所などのパートナーチャネルとの連携が期待されている。

※ Annual Contract Valueの略で、顧客1人当たりの年間契約額を指す。

また、ストレスチェックや各種サーベイに関する業務効率化、組織課題の可視化、ラインマネジメント支援、セルフマネジメント支援など、周辺ソリューションの拡充も進める。中堅・中小企業向けには、「おまかせ健康管理」などの新サービス投入により、健康管理業務に十分な人員を割けない企業の需要を取り込む方針である。加えて、女性健康支援、がん検診支援、産業医・保健師紹介など、周辺領域のサービス拡大も推進する。

オペレーション面では、AI活用による生産性向上を重視している。健康診断結果のデータ化業務では、AI-OCR、独自システム、専門スタッフを組み合わせたプロセスの高度化を進め、今後3年間で1件当たり外注費を50%削減する目標を掲げている。さらに、あしたのチームのPMI推進、事業オーナー制の導入、CFO・事業開発・技術戦略分野での人材強化を通じて、非連続成長を支える経営基盤の整備も進めている。

■株主還元策

累進配当の導入と機動的な資本政策で株主還元を強化

同社の株主還元方針は、EPS成長と株主還元の両立を通じて企業価値及び株式価値の向上を図るという考え方に基づいている。オーガニック成長に加え、M&Aなどの非連続成長投資も進めながら、安定的な株主還元を継続する方針を示している。

配当政策については、株主への還元を重要戦略とし、配当原資確保のための収益力強化を進め、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としている。この考え方の下、株主への利益還元を一層強化することを目的として、2026年2月に累進配当を導入した。これにより、利益成長を背景に中長期的に安定した配当を実施する姿勢を明確にしている。2026年3月期の1株当たり配当金は34.4円(配当性向50.5%)で、前期比では13.0円の増配となった。2027年3月期は40.0円(同43.3%)を予定している。

また、同社は2026年2月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施した。加えて、2026年5月20日には、資本効率の向上、株式価値の向上、市場環境の変化に応じた機動的な資本政策を遂行できる体制を整えるため、自己株式の取得を可能にする定款変更を株主総会に付議することを取締役会で決議し、2026年6月26日の株主総会で承認可決された。成長投資と株主還元のバランスを保ちながら、資本政策の柔軟性を高めていく方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

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