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【SCREEN、JT、カンロ】急反発を見せる日本市場 決算発表から株価を大きく上昇させた3銘柄の注目ポイント

【3】カンロ(2216)

カンロ2023年12月期第3四半期決算短信より

カンロ2023年12月期第3四半期決算短信より

 同社の商品には「果実のど飴」「金のミルク」「ピュレグミ」といったコンビニでよく見る商品が並ぶ。「のど飴」が主力であり、グミも事業の第2の柱として成長している同社が10月27日に2023年12月期の第3四半期の決算発表を行った。

 今回の決算においては、営業利益が前年比72.6%増、経常利益が前年比66.9%増、最終益が前年比65.7%増という驚異的な数字を出した。また、業績好調に伴い、営業利益、経常利益の通期着地を、従来発表から20%以上も上方修正発表するという快進撃を見せている。

 お茶の間でお馴染みの同社であるが、実は時価総額は348億円という小型株の部類に入る銘柄だ。同社の筆頭株主には商社最大手である三菱商事が君臨しており、事業においても大きなサポートを期待できるのではないか。

 また、同社の商品には、個人的には「感染症恩恵」の追い風があると考えている。実際、上方修正理由を確認してみると、「オミクロン株感染拡大・花粉飛散量増加による影響を受けたのど飴需要の急激な増加」というコメントが発表されている。多くの人や企業が「コロナ」「オミクロン」「インフルエンザ」といった通常ならば事業停滞要因になる「感染症」を事業の追い風に変えている。

「There’s always a bull-market somewhere!」(どこかにブルマーケットがある!)という相場格言があるが、同社を見るとまさにその言葉が頭に浮かぶ。

 これから日本は冬がやってくる。暖冬と言われ、感染症がどこまで流行るかはわからないが、風邪の予防を理由に同社の商品需要が生まれることも期待できるかもしれない。そして春になれば「花粉症」がやってくる。10月27日の決算は後場の場中に発表され、その日の引けで前日比+9.2%の急騰を見せ、翌営業日の10月30日にはさらに前日比+7.8%の上昇となった。同社が今後、どのようなPR戦略を繰り出し、どこまで株価を伸ばせるかは非常に興味深い。

 今回は、ここまでの決算発表の中で目を引いた3銘柄を紹介した。冒頭にも記載したが、ここからの投資環境は非常に良いものになると考えている。投資戦略として、相場環境が良好な時に好決算を出した銘柄に乗るのは安心感があるのではないか。

【プロフィール】
古賀真人(こが・まさと)/個人投資家、経済アナリスト、会社経営者、投資系YouTuber。1978年、埼玉大学経済学部卒業後、国内大手金融機関、外資系金融機関勤務を経て独立し、株式会社ライフサポートを設立。25年以上の株式投資経験を活かし、チャート分析からはわからない経済分析、個別企業分析をYouTube「カブアカちゃんねる」で展開。全決算を最速分析しているnote「カブアカマガジン」(https://note.com/masatokoga)を日々更新中。

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