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【市場心理は「恐怖」に転換】中東情勢の悪化、米国のインフレ再燃懸念がもたらした悲観相場の行方

今後の見通し

 さて、今まさに総悲観が相場に漂っている。ここで、相場を悲観に導いた政情不安、アメリカ経済を検証してみたい。

 まず、イラン・イスラエルの政情不安について。イランは攻撃前に周辺国に通知しており、イスラエルはアメリカ、イギリス、ヨルダンと連携しこの攻撃をほぼ完璧に防ぐことができ、このことがイランが「収束」と言わざるを得ない状況に追い込んだと見ることができる。19日にイスラエルはイランに対して再報復の爆撃を行ったが、アメリカがイスラエルに対し、待ったをかけている状況であり、イスラエルがアメリカの顔を潰してまで事態を混迷に向かわせるとは考えにくい。現状では、両国は抑制的な対応にとどまっているといえる。

 中東情勢は落ち着く方向に向かっているのではないだろうか。

 次に、アメリカの景気過熱についてだが、高金利の維持という状況が相場全体の重しになる一方で、銀行の好決算を生むことも期待できる。また企業業績はAIブームの到来を受け非常に強いことが期待できることからも、昨今の軟調な相場は中長期的に見て買い場となる可能性も期待できる。

 日本株については外国からの買い、新NISA(少額投資非課税制度)の買いが止まることはないとみられており、業績に比べて割安と言える水準が続いている。

 こうした見方に立てば、「悲観で買う、楽観で売る」という相場格言通り、今は買い場だと捉えることもできるが、はたしてどうなるか。今後の推移を注視したい。

【プロフィール】
古賀真人(こが・まさと)/個人投資家、経済アナリスト、会社経営者、投資系YouTuber。1978年、埼玉大学経済学部卒業後、国内大手金融機関、外資系金融機関勤務を経て独立し、株式会社ライフサポートを設立。25年以上の株式投資経験を活かし、チャート分析からはわからない経済分析、個別企業分析をYouTube「カブアカちゃんねる」で展開。全決算を最速分析しているnote「カブアカマガジン」(https://note.com/masatokoga)を日々更新中。

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