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1ドル100円台へ? 円高を止められぬ政府・日銀のジレンマ

4月5日に一時、1ドル=109円台に突入したドル円相場。2016年初は1ドル=120円程度だったことを考えると、そこから約3か月で10円以上も円高に進んでいる。黒田東彦日銀総裁のもと、「消費者物価指数2%」を目標に質的・量的緩和の政策を続けてきた日銀にとって、円高は大きな向かい風となる。

円高を食い止める対応策のひとつに、「為替介入」がある。日銀のHPによると、〈為替介入(外国為替市場介入)は、通貨当局が為替相場に影響を与えるために、外国為替市場で通貨間の売買を行うことで、正式名称は「外国為替平衡操作」といいます。為替介入の目的は、為替相場の急激な変動を抑え、その安定化を図ることです。〉とある。

そもそも、政府・日銀による直近最後の為替介入は東日本大震災の後であり、余程急激な為替変動ではない限り、大量の資金を投入しての為替介入は難しい。また、2月に上海で開催されたG20で、「金融政策のみでは、均衡ある成長につながらない」と各国が金融緩和策を進めて自国通貨安を目指す構図に難色が示されており、新たな金融緩和策も国際的には容認されにくい状況だ。

そうなると、政府・日銀にとって採択可能な円高対策にはどんなものがあるのか。元三和銀行で外為ディーラーとして長く活躍した、バーニャマーケットフォーカスト代表・水上紀行氏が解説する。

「今回のように為替介入が国際的に容認されにくい状況では、通貨当局は、要人発言によって相場を持ち上げようとする“トークアップ発言”に頼るケースが一般的です。しかし、この方法を頻繁に繰り返すと、為替相場の反応も鈍くなってきます。

そこで出てくるのが、日銀が各銀行にレート水準を聞く“レートチェック”という方法です。要は、私達は相場を見ていますよ、という警告のようなものです」(水上氏)

つまり、世界各国の協調姿勢として「通貨安競争の回避」が望まれている中、円高を食い止めたい政府・日銀ができることは限られているというのが現状だ。1ドル=100円台に向けて、さらなる円高が進行するのか否か、今後に注目したい。

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