タイのコンビニで売っているタイ製マスクは約20バーツ(約70円)、日本製は約130バーツ(約460円)。日本製は割高だが、自らの身を守るために高い出費も致し方ないと考えているのかも知れない。
そもそもタイ人がここまでマスクをするようになったのは、ここ数年のことだという。Bさんが続ける。
「皆がマスクをするようになったのは、タイの保険局がSNSで汚染対策としてマスク着用を呼びかけたことがきっかけで、ここ3年ほどのことです。10数年前はマスクをつけていると“重病”だと思われる印象でした。私も学生時代、建設現場のほこりっぽさが苦手でマスクをしていたのですが、つけたままバスに乗車すると、隣にいた人が『えっ、何か感染るような病気なの?』といった感じで、離れていくほどでした」(Bさん)
日本ではマスクの用途は幅広く、病気予防からすっぴん隠しにまで使用されるが、Bさんいわく「タイ人はすっぴんをマスクで隠すことはない」という。そうした意味でもタイで増えるマスク姿の持つ意味は重いといえそうだ。