新モデルが発売される度に盛り上がりを見せるスマートフォンだが、スマホ市場を取り巻く状況は、変わりつつあるのかもしれない。MM総研によると、2020年度の中古スマホの販売台数は過去最高の185万台で、前年度比13.5%増と過去最高を記録。2021年度は204万台に拡大する見込みであると予測されている。中古スマホが支持される理由とは何か。最新スマホではなく中古スマホを実際に購入し、使用している人たちの声からその人気の秘密を読み解いてみよう。
性能的にも2世代前の型落ちでちょうどいい
IT企業に勤務する男性・Aさん(20代)は、かつて新型iPhoneの発売に胸を躍らせていた一人で、ほぼ毎年買い替えていた。
「iPhoneの新しい機能やデザインを自分の手で確かめたい気持ちが強かったし、所有していることでちょっとした優越感を持てる、ブランド品みたいな感覚でした。普段パソコンはWindowsを使っていますし、Appleが特別に好きというわけではないのですが」(Aさん)
だが、新型iPhoneが10万円を超えるようになってから、購入を躊躇するようになったという。
「SIMフリー端末購入時、分割払いの審査に落ちてしまうことがあったのですが、とはいえ10万円を超える額を一括で購入するのは勇気がいります。パソコンを買い替えられる値段ですし、悩ましい額になったと頭を抱えていました」(Aさん)
iPhoneの高額化とともに高機能化も進んでいるが、Aさんは「もはや2世代前の型落ちでちょうどいい」と、買い替えサイクルを見直した。
「最新のiPhoneは正直、私にはオーバースペックで、使いこなせない。2世代前くらいでも十分なくらいです。最新iPhone 13の2世代前のiPhone 11(256GB)なら中古で5万~6万円台なので、金銭的に負担がだいぶ軽いです。iPhone XS(256GB)を新品で買った時は14万円でしたからね。
カメラ性能も、iPhone 5SからiPhone XSにした時は感動しましたが、それ以上の性能になると、写真投稿をバリバリやるわけでもなく、動画を撮影するわけでもない僕には、ちょっと必要ないかなと……。型落ちを中古から中古に買い替えて行った方が、自分に合っていると思いました」(Aさん)