いまや生活に欠かせない存在となっているスマートフォン。総務省の「令和3年通信利用動向調査の結果」によると、2010年以降、スマホの保有率は右肩上がりで伸びており、2021年の世帯保有率は88.6%。高齢者も続々とスマホデビューしており、もはや「携帯=スマホ」といっても過言ではないほどだ。そうした中で“絶滅寸前”なのが、フィーチャーフォン(ガラケー)ユーザーであり、「特にスマホを持つ必要性を感じない」と言うネットニュース編集者の中川淳一郎氏もその一人だ。
そんな中川氏が、先日、長年使い続けていたガラケーを紛失し、今度は別のガラケーに機種変更しようと携帯ショップを訪れたところ、「いまガラケーユーザーがいかに少数派なのか実感できた」と述懐する。いったいどんな感じだったのか? 中川氏が、その時の店員とのやり取り様子を振り返る。
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私は、2013年製のガラケーを長年愛用してきました。それが7月上旬、佐賀県唐津市の海の家でBBQをした際、非常に楽しくお酒を飲んでいたのですが、ちょっと飲みすぎてしまったようです。どうやって家に帰ったかもあまり記憶にないのですが、翌朝起きたら、短パンの左ポケットに本来あるはずのガラケーがない。
「あちゃあ。こりゃ失くしたな……」とすぐに分かったものの、一応、家の中を探しました。そして、午後になって海の家に連絡をし、さらにその後に行った屋台の女将にも連絡をするも「なかよ(ないですよ)」と言われました。
そこから、私の「携帯電話ナシ生活」が始まりました。まあ、私は半隠居の身のため、それほど電話はかかってきませんし、日常的に付き合いのある方からの連絡は、フェイスブックやツイッターのメッセンジャー、あとはメールもあるので、特段困りません。なんだか不思議な感覚でしたね。「このままの電話ナシ生活でもいいかな」とは思いましたが、そうはいっても経験上、新規の仕事依頼は、電話で来ることが多い。
フリーランスの人間にとっては、誰だか分からない番号からの電話が来ることって多いんですよ。それがけっこう、新規の仕事依頼だったりする。知り合いに対しては「私の番号知りたい人がいたら、勝手に伝えてもらって大丈夫ですよ」と伝え、いつ来るか分からない新規発注を待つ、といった感じでこの21年間のフリーランス人生を生きてきました。
そう考えるとやはり、電話連絡手段はあったほうがいい。ということで、失くした元最新鋭ガラケーと同じものがないかアマゾンで探したところ、同じ機種・同じ色のものを中古品で発見! 7500円で購入しました。