投資

「あのまま持ち続けていれば…」配当株投資家が“手痛い失敗”から学んだ売買のルール

 早めに買い戻せばよかったのですが、「一度、売ったのだから」と何となく意地になって、いつまでも買わなかったようなところがあります。ムダな意地を張らずに、「自分の理論立て通りに、すぐに買っておけばよかった」と、今でも反省しています。この経験を通して、一時の感情に振り回されて無分別に動いてしまうと、往々にして大失敗することを学んだ気がします。それ以降は、追加で買い増すことはあっても、買った株を手放すことは考えないようにしています。

 これから株を買い続けていくためには、実際に株を買ってみて、その銘柄に対する自分なりの「価格の軸」を持つことが重要です。「価格の軸」というのは、株価の変動に惑わされないための、自分なりの判断基準を身につけるということです。

 すでに配当株投資をやっている人であれば、「取得利回り」(購入金額に対する配当金の割合)や「配当利回り」(株価に対する配当金の割合)を判断基準にしている人もいるでしょうが、私は、「自分が株を買った時の株価」を基準にして、その後の株価の動向を注意深く観察することが、最も適切な方法だと考えています。

「買った時の株価」を基準にすれば、今の株価が「割高か、割安か」で悩む必要がなくなります。自分が買った時よりも株価が1~2割下がっていれば、「今は積極的に買う時だな」と、すぐに判断できます。それが1~2割上がっている状況であれば、「今はもう少し様子を見るべきだな」と考えることができます。これが「価格の軸」を持つということです。

 配当株投資は、株価の動向に左右されるものではありませんが、自分で「適正」と思える株価で手に入れることができれば、それだけ取得単価を下げることができます。仮に取得単価が上がっても、「自分でいいと思う銘柄だから、積極的に買っていこう」という判断もできます。その適正価格を判断する基準が「価格の軸」なのです。

 実際に自分で株を持っていないと、その銘柄に対する感度が甘くなります。自分で株を持っていなければ、決算をきちんと確認したり、「株価はなぜこういう動きになっているのか?」など、その背景まで探ろうとは思わないものです。自分で株を持って、自分なりの「その銘柄に対する価格の軸」を作っておけば、目の前の株価の動きに振り回されることはなくなると思います。

できるだけ長く持ち続ける

 私は自分が持っている株は、よほどのことが起こらない限り、売るつもりはありません。売らないどころか、「権利収入」という配当金の利点を活かして、自分の子供や孫といった次世代の人たちに、そのまま渡していこうと思っています。自分が手塩にかけて育て上げた「カネのなる木」を、次の世代にも活用してもらいたいと考えています。

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