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「ノルマが達成できない」と悩む部下に威圧的な叱責は逆効果 キャバクラ店長が実践する「目標達成」を促す会話術

カリスマキャバクラ店長の黒服ムラカミ氏

カリスマキャバクラ店長の黒服ムラカミ氏

 チームの目標を達成させたり、部下の成績をアップさせたりするにはどのようにコミュニケーションをとればよいだろうか。これまで担当したキャバクラ嬢は1万人、数々のキャバクラを助っ人として立て直してきたキャバクラ店長の黒服ムラカミ氏は、 キャバクラ嬢や従業員をマネジメントする立場から、「相手によってかけるべき言葉は違う」と実感したという。新刊『黒服の手帳 カリスマキャバクラ店長が教える「部下を動かす」技術』が話題の黒服ムラカミ氏が、自ら実践するビジネス会話術を紹介する。

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「何のために働くのか」という物差しは人によって変わります。個人の目標を設定し、動機付けるためには、相手を知ることが欠かせません。

 仮に店の売上目標が1000万円だとして、10人のキャバ嬢に「100万円売ってください」とノルマを課すのは簡単です。しかし目標が本人の希望とリンクし、「達成できる」と心から思っていなければ、口だけのお題目になってしまいかねません。

 目標数値を本人が心の中に落とし込むためには、まず本人に数値を設定してもらい、なぜその数値になったのかを深掘りしていく必要があります。私は「なぜ」という質問を繰り返して、本人が本当に満たしたい欲求を明確にさせることにしています。

 例えば次のようなやりとりです。「来月は100万円売りたい。(なぜ?)たくさん給料が欲しいから、50万円くらい。(なぜ?)ヴィトンのバッグが買えるから。(なぜ欲しいの?)インスタに新作バッグを持っているところを投稿したいから」。

 このキャバ嬢の本当の目的が承認欲求だと分かりました。しかし「いいね!」が欲しいだけなら高級バッグを買う必要はなく、他にいくらでも方法があるでしょう。自分の欲求が本人もよく分かっていないのです。

 このように本当の欲求が本人でもはっきりしていない場合は目標へのモチベーションが低く、結果的に達成できないことが多くあります。それなら目標を下げるか、やり方を変えたほうが本人にとっても店にとってもいいでしょう。アルバイト感覚か、プロ意識を持って働いているのかが、ここで分かります。「なぜ」を繰り返すのは、自分の物差しを自覚し、目的意識を持って働いてほしいからです。

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