投資

【羊飼いのFXトレンドフォーキャスト】FXシストレ事情 国内最新サービスと海外で人気急上昇のズールトレード

海外では勝ち組投資家の取引をコピーできるサービスも

日本国内でこうした「国産」のシストレが進化する一方で、海外に目を向けるとさらに別の形のシストレが新たなブームを巻き起こしている。その代表格が、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の要素を取り入れた「ズールトレード」だ。

2007年に設立されたズールトレードは、現在、欧米を中心に世界100か国以上のトレーダーに利用されている。内容は、実在のトレーダーが行なう売買をそのままコピーできるという画期的なサービスだ。何もしなくても自動的にトレードされる点では従来のシストレと同じだが、実際の売買判断を発信しているのは生身の人間である点が従来型とは大きく異なる。

投資家は、シグナルプロバイダーと呼ばれる登録トレーダーの中から好みのトレーダーを選んでフォローすることで、その人が行なう売買に相乗りすることができる。シグナルプロバイダーが自身の口座でトレードするとシグナルが配信され、フォローした顧客の口座で自動的に同じポジションが取られるしくみだ。このシステムを利用すれば、大儲けしているカリスマトレーダーと全く同じポジションを取り続けることも可能になる。

ズールトレードのウェブサイトでは、10万人を超えるといわれるシグナルプロバイダーたちの勝率や最大ドローダウンなど過去の成績やランキングをはじめ、戦略の説明や利用した人のコメントが公開されている。投資家はこうしたデータをみながら、自分に合ったシグナルプロバイダーを選び、場合によっては複数組み合わせて自分のポートフォリオを構成していくのだ。

ちなみに、ズールトレードでは他者の取引に便乗するだけでなく、他人の資金を動かすシグナルプロバイダーになることもできる。投資成績が優秀であれば多くのフォロワーがつき、取引ごとに手数料収入が入るしくみだ。腕に覚えのある投資家なら自身のトレードの利益に莫大な手数料収入を上積みすることも可能になる。

現状、ズールトレードを利用するには、対応しているFX業社に口座を開く必要があるが、残念ながら日本国内のFX業社はまだ対応していない(※8月中旬時点)。国内でこのサービスを提供するには法的な問題をクリアする必要があるらしく、一朝一夕ではスタートできない事情もあるようだ。

ただ、日本にいても海外のFX業社に口座を開くことは可能なので、国内でもズールトレードの人気はひそかな高まりを見せている。この場合は日本のレバレッジ規制も適用されないので、取引の自由度は飛躍的に向上する。とはいえ、現実には外国語の問題もあるため一般の投資家にはハードルは高く、広く普及するのはまだ難しいだろう。

それでも、複数のFX業者が関心を示し、参入の方法を模索しているという噂も耳にする。今後、ズールトレードが国内業者で利用可能になるかどうかはわからないが、近い将来はトレーダー同士のSNS機能を持たせたり、何らかの方法で「勝ち組」に便乗できるようなシステムが登場してくるかもしれない。

勝ち組トレーダーに便乗!
海外で人気の「ZuluTrade(ズールトレード)」

売買シグナルを出すシグナルプロバイダーは10万人を超えるといわれる。投資家はランキングや過去の勝率、最大ドローダウン、戦略、利用者のコメントなどから、利用するシグナルプロバイダーを選んでフォローすれば、自動的に取引されるしくみ。パフォーマンスが一定の基準を下回ると、そのシグナルプロバイダーはポートフォリオから削除され、ポジションはすべて閉じられるというロスカット機能もある。公式サイトは日本語にも対応している。

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※「マネーポスト」2014年秋号に掲載

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