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森口亮「まるわかり市況分析」

米国株「ラッセル2000」年初来安値更新で警戒される米銀行「商業用不動産ローン」リスク

米国の株式市場にいまなにが起こっているのか?(写真:イメージマート)

米国の株式市場にいまなにが起こっているのか?(写真:イメージマート)

 いまの株式市場は、多くのリスク要因に晒され、先行き不透明な状況が続いている。そうした中で、米国株式の指数の一つ「ラッセル2000」が年初来安値を更新しているが、はたしていまの米国株市場に何が起こっているのか──。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが3つの観点から分析し、解説する。

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 2023年10月に入り、マーケットはさまざまなリスク要因に直面しています。金利が高い状態が継続しそうな懸念、UAW(全米自動車労組合)によるストライキの長期化、米議会予算案の否決と議会閉鎖のリスク、イスラエルの地政学的リスク……など、数多くのリスク要因が相次いで発生し、株式市場に圧力をかけています。

 その中で10月19日以降、中小型株で構成される「ラッセル2000」が、他の指数よりも早く、年初来安値を約7ヶ月ぶりに更新しています。なぜラッセル2000はいま、安値を更新してきたのでしょうか? 今回はラッセル2000が安値更新した意味について考えてみたいと思います。

【1】小型株には先行性がある

 ラッセル2000のような小型株の指数は、一般的に主要な株価指数(例:S&P 500)と比較して、経済サイクルの初期段階での動きが早く出やすいとされています。

 小型株は経済の回復や成長が始まると、大型株よりも早く価格が上昇する傾向があります。逆に、経済が停滞するか不安定な時期には、大型株よりも早く価格が下落することもあり、この特性は「先行性」と呼ばれ、特に経済サイクルの初期段階で注目されます。小型株は市場全体の成長や景気循環に敏感であり、新興企業や成長分野に関連していることが多いため、このような傾向が出やすいのです。

次のページ:【2】7ヶ月前の安値との比較

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